ミュオグラフィ画像がとらえた桜島のマグマの動き

László Oláh1・Hiroyuki K.M. Tanaka1・Takao Ohminato1・Gerg˝o Hamar2・ Dezs˝o Varga2
1東京大学地震研究所, 2ハンガリー・ウィグナー物理学研究センター
Geophysical Research Letters, 46, 10,421-10,424, doi:10.1029/2019GL084784
First Published: 06 September 2019

桜島ミュオグラフィ観測所は、2017年まで活動が活発だった昭和火口直下にプラグ(マグマ流路をふさぐ栓のようなもの)が存在する様子を捉えました。画像の分解能は60メートルであり、プラグの形成時期は昭和火口の活動が低下した2017年からその隣の南岳火口が活発化した2018年の間と推定されます。このプラグはミュオグラフィ画像内の昭和火口直下に現れた物質量(密度)の上昇によるものと解釈され、その確からしさは99.7%以上になります。南岳火口近傍においても非常に高い確率で物質量の上昇が推定されました。これは、活発化した南岳火口から噴出した物質の堆積による効果と考えられています。

桜島昭和火口直下及び南岳火口近傍における密度上昇を示すミュオグラフィ画像。(a)2017年7月~10月にかけて得られたデータ。(b)2018年2月~6月にかけて得られたデータ。
桜島ミュオグラフィ観測所、観測装置の写真