第13回(平成16年度第2回)火山噴火予知研究協議会議事概要

日 時:平成16年10月18日(月)11:00〜15:00
場 所:東京大学地震研究所第2会議室

議 事

1.前回議事概要について

 案について意見等があれば10月末までに議長,幹事まで連絡してほしい旨の依頼があった.


2.今後の構造探査・集中総合観測対象火山について

1)平成16年度集中総合観測について
・名大木股助教授から御岳の総合集中観測(水準,地震,MT,ガス,重力)がほぼ終了しつつあるとの口頭報告があった.

2)平成16年度火山体構造探査について(配布資料13-2)
・石原議長より平成16年度口永良部島構造探査実施計画の概要について説明があった.

3)平成17年度火山体構造探査
・橋本オブザーバーより平成17年度浅間山電磁気構造探査計画の概要について説明があった.武尾教授より,自然地震探査のための観測点調査が遅れており,機器設置のスケジュールがやや遅れるかもしれないとの説明があった.
・大城オブザーバーより,浅間山の噴火活動が継続した場合,計画についてはどうするのか質問があった.鍵山委員他より,長期的ビジョンに立った観測を実施する必要があり,噴火活動が継続した場合でも観測を実施することは可能である旨の回答があった.

 石原議長より,次回の協議会までに平成19〜20年度の集中総合観測および構造探査を実施すべき火山について提案いただきたい旨の依頼があった.


3.火山噴火予知研究経費について

・各大学から経費の要求内容について報告があった.
・大城オブザーバーより,経費の要求については財務省に提出済みである.平成18年度特別教育研究経費の要求については,学術分科会が平成17年度早々に方針を示す予定であるので,火山噴火予知協議会での協議も早めの検討が必要と思われる.経費を要求するにあたり,各大学での要求順位が重要であったことから,各大学の事務局を含めて十分に検討を進めていただきたい旨の発言があった.
・渡辺委員から平成17年度の設備費の有無について質問があった.大城オブザーバーより設備費は含まれていなかったとの回答があった.


4.大学の観測網について

1)火山観測のデータ交換について
・渡辺委員から浅間山火山に関する観測データの交換についての協定について説明があった.協定の内容について意見があれば伺いたい旨の連絡があった.
・鍵山委員から読み取りデータのフィードバックをかけるようなやり方にしたほうがよいとの意見があり,石原議長から細目協定でもよいから規定化できないかとの意見があった.渡辺委員より気象庁と協議する旨の回答があった.

2)観測体制の見直しについて

 2−1)富士山における地殻変動観測について
・渡辺委員より,富士山のGPS観測器材を撤収し浅間山で使用することについて説明があった.
・大城オブザーバーより,浅間山での観測に切り替えるという意味かの質問があり,渡辺委員より,当面浅間山で使用する旨の回答があった.

 2−2)草津白根観測網について
・渡辺委員から草津白根観測網について説明があった.東工大に地震観測網を移管する予定である.観測点YGW及びAIMの地震計については,メリットがなくなってきており廃棄するが,中継観測点AIMについては,東工大がテレメータ化を進めるまでは必要なので残す.
・平林委員より東工大と地震研とで調整して統合を行う旨の発言があった.

 2−3)霧島山観測網について
・渡辺委員から霧島山観測網について説明があった.テレメータなどの老朽化と全体を網羅し研究するスタッフが地震研にいないため,広域の観測点を撤収し,活動的な新燃,御鉢の2火山に特化した観測に切り替える予定である.
・大城オブザーバーから廃棄するテレメータの維持費について質問があった.渡辺委員より,5年ごとの無線免許更新料百数十万円と機器修理経費がかさむが修理そのものが困難になっているとの回答があった.鍵山委員からその他に人件費がかかる旨の捕捉があった.
 以上の観測網の変更について了承を得た.


5.浅間山の噴火観測体制について

 武尾委員から2004年浅間火山の噴火に関する総合的調査について,観測体制,観測点配置図等の説明があった.


6.地震研究所客員教員の推薦について

・石原議長より,平成17年度地震研究所客員教員候補者,客員教員候補者選出に関する申し合わせ及び推薦理由についての説明があった.意見聴取の後,客員教授候補として鍵山恒臣(京都大学大学院理学研究科教授)と鵜川元雄(防災科学技術研究所固体地球研究部門副部門長)の2名が,また,客員助教授候補として橋本武志(北海道大学地震火山観測研究センター助教授)と野上健治(東京工業大学火山流体研究センター助教授)の2名が選出された.申請書の〆切は,11月15日である旨説明があった.


7.その他

1)防災研究フォーラムシンポジウムについて
 山下所長から第3回シンポジウム開催(案)についての説明があった.

2)京都大学防災研究所の改組について
 石原議長から京都大学防災研究所の改組と新しい射程について説明があった.


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