共同強震観測
- 大地震は稀にしか発生しないが、その時の強震動を確実に記録することが強震観測の目的である。全国の強震観測は官庁およびその研究所が中心となって推進・維持されているが、大学や公益的企業体・建設会社等の民間の寄与も大きく、現在の観測点数は2000を越える。
しかし、いったん大地震が発生した時に、被害状況や震度分布あるいは詳細な震源過程等を定量的に説明できるほどには強震観測点は配備されていない。そのため、大地震の度に大きな余震の観測を主目的に機動強震観測が実施されてきた。単独の機関では観測資材や人的資源に限界があるため、観測目的を共有して各機関ごとにあるいは観測点を共有してそれぞれの持ち場で観測する。最近の引き続く大地震(1993年北海道南西沖、1994年北海道東方沖、1995年兵庫県南部等)では、大学が中心となって共同余震観測を実施し、大加速度の発生原因、「震災の帯」の理由などの解明に焦点をあててきた。
共同強震観測はまだ緒についたばかりで、連絡体制や使用機器などの改善に努めている段階であるが、緊急時の共同観測だけではなく、各大学との共同で定常観測を実現する例も増加している。
(工藤 一嘉 地震地殻変動観測センター)