ネットワークMT(地磁気地電流)観測
- 日本列島全域の平均的な電気比抵抗分布を明らかにしようという試みが第7次地震予知計画の一環として平成6年度にスタートした。地震研究所が独自に開発したネットワークMT法観測を、全国の電磁気学研究者が力を結集して共同で実施しようという計画である。この計画は、電磁気的手法による地震予知研究を行う上で最も基礎となる情報を得るための作業という意味で、いわば比抵抗による日本地図作りとみなすことができる。もちろん世界で初の試みである。ネットワークMT法の電位差観測は、8回線程度の観測網で構成されるローカルネットワークが次々と場所を変えて全国を移動する。1ヵ所のローカルネットワークの観測期間は、最低でも2ヵ月程度は必要である。このようにして年次計画で進めて行き、日本列島全域にわたる大局的な地下電気伝導度構造を明らかにする予定である。平成6年度には北大理・東北大理・秋田大鉱山・東工大理・東大理・名大理・京大防災研・京大理・神戸大理・鳥取大教養・高知大理などの参加により、宮城ー山形、琵琶湖西部、中国・四国、阿蘇で観測を実施した。地震活動や火山活動にともなう電位差異常変化の検出のため連続観測を行う一部のネットワークを除くと、このような方式の移動観測により1年に平均200測線、5ヵ年で約1000測線についての見かけの比抵抗を得ることができる計算になる。
(歌田 久司 地震予知研究推進センター)