地震予知研究協議会・平成13 年度の成果報告

シンポジウムについて

地震予知研究推進センター 飯尾 能久


 

地震予知研究協議会の13 年度の成果報告シンポジウムが,3 月6 日― 7 日に,地震研究所において開かれました.昨年度に続く3 度目のシンポジウムであり,記名された参加者だけで144 名という盛会でした.今年度の地震予知研究計画において,大学で得られた成果を中心に,多数の講演と活発な議論が行われました.また,総合討論では,次期計画の策定へ向けて,今後の課題や展望に関する議論が始められました.

プログラムを以下に添付します.このプログラムは,各計画推進部会の議論に基づいて作成されました.今回は,東海のスロースリップと鳥取県西部地震に関する特別セッションが設けられました.

各計画推進部会の枠の最初に,部会としてのまとめの講演が行われました.また,一般の講演については,その中身により,講演時間に長短がつけられています.最長は,釜石沖における地震予知と三陸沖・福島沖のカップリング長谷川昭(東北大理)であり,20 分の時間が割り当てられています.また,13 年度に課題として登録された研究計画は,講演されたものの倍近くあり,全ての成果報告は近々印刷して公表される予定です.

 

 

地震予知研究協議会(平成13 年度成果報告シンポジウム)プログラム

日時:平成14年3月6 日(水)10 : 00_17 : 05(懇親会: 17 : 30_19 : 00)

 平成14年3月7 日(木)09 : 00_17 : 30

場所:東京大学地震研究所 第1会議室

 

 

1 日目)平成14 年3 月6 日(水)10 : 00_17 : 05

 

10 : 00_10 : 10 平成13年度全体計画企画部(平田直)

 

1. 地震発生に至る地殻活動解明のための観測研究

●定常的な広域地殻活動(座長:岩崎貴哉)

10 : 10_10 : 20 はじめに 岩崎貴哉(地震研)

 

1) プレート境界域の地殻活動及び構造不均質に関する研究

10 : 20_10 : 30 三陸沖における震源域周辺の構造探査 笠原順三(東大地震研)[0101]

10 : 30_10 : 40 フィリッピン海プレートからの反射波 蔵下英司(東大地震研)[0105]

10 : 40_10 : 50 プレート境界地殻構造と地震発生帯掘削計画 日野亮太(東北大)[0501.1][0501.6]

10 : 50_11 : 00 GPS による日本列島のプレート相対運動について 宮崎真一(東大地震研)・日置幸介(国立天文台)

11 : 00_11 : 10 奄美大島の地殻内地震とマントルウエッジの地震 角田寿喜(鹿児島大理)[1201]

11 : 10_11 : 20 関連するプロジェクトの成果:日本周辺のプレート境界における構造探査 金田義行(JAMSTEC)

11 : 20_11 : 25 討論

11 : 25_11 : 35 休憩

 

2) プレート内部の地殻活動・構造不均質に関する研究

11 : 35_11 : 42 東海_中部海陸合同地殻構造探査 飯高 隆(東大地震研)[0105]

11 : 42_11 : 49 低重合反射法地震探査による東海地域の深部地殻構造探査 佐藤比呂志(東大地震研)

11 : 49_11 : 57 反射データから見る日高衝突帯の上部地殻構造 岩崎貴哉(東大地震研)[0105]

11 : 57_12 : 05 日高衝突帯前縁の地質構造と第四紀後期の水平短縮速度 佐藤比呂志(東大地震研)[0105]

12 : 05_12 : 15 日高地域における応力テンソルインバージョン 勝俣 啓(北大理)[0301]

12 : 15_12 : 25 日高地域の比抵抗構造 茂木 透(北大理)[0301]

12 : 25_12 : 30 日高地域におけるトモグラフィー村井芳夫(北大理)

12 : 30_12 : 35 1993 年北海道南西沖地震の震源域でのP 波速度トモグラフィー 高波鐵夫(北大理)

12 : 35_12 : 45 ネットワークMT 観測による島弧不均質構造 上嶋 誠(東大地震研)[0114]

12 : 45_12 : 50 討論

 

3)地震発生の繰り返しの規則性と複雑性の解明

12 : 50_13 : 00 地震発生の繰り返しの規則性と複雑性の解明 島崎邦彦(東大地震研)[0115]

13 : 00_13 : 10 歴史地震による繰り返しの規則性の解明 都司嘉宣(東大地震研)[0122]

13 : 10_13 : 15 討論

 

13 : 15_14 : 10 昼食休憩

 

●準備過程における地殻活動(座長:大志万直人)

14 : 10_14 : 20 準備過程における地殻活動 大志万直人(京大防災)

 

1)プレート間カップリングの時間変化

14 : 20_14 : 40 釜石沖における地震予知と三陸沖・福島沖のカップリング 長谷川昭(東北大理)[0501][0501.2][0501.4]

14 : 40_14 : 50 日向灘におけるカップリング 植平賢司(九州大理)[1105]

14 : 50_15 : 00 弾性波速度の時間変化 佐野 修(東大地震研)

15 : 00_15 : 05 討論

 

特別セッション「東海」

15 : 05_15 : 15 東海におけるカップリングの時空間変化 木股文昭(名大理)[0903]

15 : 15_15 : 25 東海スローイベント 小沢慎三郎(国土地理院)

15 : 25_15 : 35 地震活動静穏化 松村正三(防災科研)

15 : 35_15 : 45 地震波速度構造 神谷眞一郎(JAMSTEC)

15 : 45_16 : 00 time-to-failure analysisとバリアー侵食/フラクタル・アスペリティーモデル 瀬野徹三(東大地震研)

16 : 00_16 : 05 討論

16 : 05_16 : 15 休憩

 

2)地震多発地域へのローディング機構

16 : 15_16 : 25 稠密GPS による歪集中帯 三浦哲(東北大理)[0502.3]

16 : 25_16 : 35 広帯域MTによる断層周辺の比抵抗構造 小川康雄(東工大)[0801]

16 : 35_16 : 40 東北地方の地下深部比抵抗構造と不均質構造との関連性の解明 西谷忠師(秋田大資源)[0602]

16 : 40_16 : 45 東北脊梁における3 次元速度構造 平田 直(東大地震研)

16 : 45_16 : 50 長町利府断層周辺の地殻構造 海野徳仁(東北大理)[0502.1][0502.2]

16 : 50_17 : 00 関連するプロジェクトの成果:陸域震源断層の深部すべり過程のモデル化 伊藤久男(産総研)

17 : 00_17 : 05 討論

 

17 : 30_19 : 00 懇親会

 

 

2日目) 平成14年3月7日(木) 9 : 00_17 : 30

 

特別セッション「鳥取県西部地震」

9 : 00_9 : 10 速度構造 澁谷拓郎(京大防災研)[0202]

9 : 10_9 : 20 比抵抗 塩崎一郎(鳥取大工)[1005]

9 : 20_9 : 30 メカニズム解 片尾 浩(京大防災研)[0202]

9 : 30_9 : 40 反射 蔵下英司(東大地震研)[0105]

9 : 40_9 : 50 散乱 松本 聡(九州大理)[1104]

9 : 50_9 : 55 討論

 

3)断層周辺の微細構造と地殻流体の挙動

9 : 55_10 : 05 応力測定による断層の強度モデル 山本清彦(東北大理)[0502.4]

10 : 05_10 : 15 西日本の深部低周波微動 小原一成(防災科研)

10 : 15_10 : 20 十和田における地殻浅部低周波地震の連続発生 小菅正裕(弘前大理)[0402]

10 : 20_10 : 30 野島断層における注水実験 西上欽也(京大防災研)[0207]

10 : 30_10 : 40 高温高圧下での脱水反応時における物性測定と今後の展望 伊東和彦(南大阪大)・佐藤博樹(大阪大)[1501]

10 : 40_10 : 45 討論

10 : 45_10 : 55 休憩

 

●直前過程における地殻活動(座長:大久保修平)

10 : 55_11 : 05 直前過程における地殻活動 大久保修平(東大地震研)[0106]

11 : 05_11 : 20 アスペリティの相互作用の研究 吉田真吾(東大地震研)[0109]

11 : 20_11 : 35 波動透過実験(応力蓄積過程での波動変化)および砂山崩し実験から示唆されること 吉岡直人(横浜市大)[0109]

11 : 35_11 : 45 南アフリカ金鉱山における半制御実験 小笠原宏(立命館大理工)[0907]

11 : 45_11 : 55 関連するプロジェクトの成果:地震国際フロンティアによる電磁気学的研究成果のまとめ 長尾年恭(東海大予知セ)

11 : 55_12 : 00 道東における電磁気変動観測 茂木透(北大理)[0307]

12 : 00_12 : 05 討論

 

●震源過程と強震動(座長:菊地正幸)

12 : 05_12 : 10 成果と課題 菊地正幸(東大地震研)

12 : 10_12 : 20 国府津松田断層・足柄平野の地下構造探査 纐纈一起(東大地震研)[0111]

12 : 20_12 : 35 見えてきたアスペリティの特徴 山中佳子(東大地震研)

12 : 35_12 : 45 直下型地震の地震環境評価 モリJジム(京大防災研)[0210]

12 : 45_12 : 55 首都圏強震計ネットの稼働状況 菊地正幸(東大地震研)

12 : 55_13 : 00 討論

 

13 : 00_14 : 00 昼食休憩

 

2. 地殻活動シミュレーション手法と観測技術の開発

●観測技術開発(座長:山岡耕春)

14 : 00_14 : 15 観測技術開発 山岡耕春(名大環境)[0904][0905]

14 : 15_14 : 25 GPS ―音響結合式測地測量 望月将志(東大生産研)[0113]

14 : 25_14 : 35 GPS ―音響結合式測地測量 藤本博巳(東北大理)[0503]

14 : 35_14 : 45 GPS ―音響結合式測地測量 田所敬一(名大理)[0909]

14 : 45_14 : 50 討論

 

●地殻活動シミュレーション(座長:松浦充宏)

14 : 50_15 : 05 地殻活動シミュレーション 松浦充宏(東大理)[0703]

15 : 05_15 : 15 地殻内流体の挙動と地震発生 山下輝夫(東大地震研)[0127]

15 : 15_15 : 25 2次元断層面での地震サイクルシミュレーション 加藤尚之(東大地震研)[0120]

15 : 25_15 : 35 海溝型巨大地震の地震サイクルモデリング研究 平原和朗(名大環境)[0908]

15 : 35_15 : 40 討論

15 : 40_15 : 50 休憩

 

3. 地殻活動モニタリングシステム高度化のための観測研究の推進

●地殻活動モニタリングシステム高度化のための観測研究の推進(座長:鷹野澄)

15 : 50_16 : 00 地殻活動モニタリングシステム高度化のための観測研究の推進 鷹野澄(東大地震研)[0132]

16 : 00_16 : 10 東海及びその周辺地域における地下水観測研究 野津憲治(東大理)[0702]

16 : 10_16 : 15 討論

 

4. 総合討論

16 : 15_17 : 30(座長:平田直)

 

注)名前(所属)の後に[]で課題番号が示されているものは,提出されたアンケートをプリントアウトして会場で配布された.


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2002/04/15