地震研究所において「東海」緊急時の訓練が実施される

地震予知研究推進センター 加藤照之


 
 大きな地震や火山噴火が発生した際には,地震研究所は通常とは異なる緊急観測の企画・立案・実行や全国の大学・関連研究機関・行政機関などとの連絡調整など,突発的に多大な業務に立ち向かうことになります.本所では「緊急時における研究所の機能確保に関する規則」及びその細則を整備し,このような事態に備えるため全所的な体制をとることになっています.このような体制が確保できるかどうかを検討するため,本年3月11日〜14日に,「東海地方においてマグニチュード8級の地震が発生した」との想定で訓練を実施しました.訓練ではまず3月11日に所長の呼びかけにより「調査観測本部」を立ち上げ,あらかじめ業務を割り振られている各班が第一会議室に集合しました.ここでは,本部各班の役割や現地調査予定の各班の行動予定などについて確認及び問題点の調整が行われました.また,今回は緊急時における気象庁との連携のため同庁から職員2名に出席して頂き,気象庁における緊急時の情報流通体制についての紹介と質疑を行いました.続いて12〜13日には現地調査観測の各班が実際に静岡県に出張し,途中経路の確認,観測点の保守及び現地観測における問題点の洗い出し,静岡県防災局への訪問などを行いました.本部とはこの間定時連絡を含め情報の流通の点検(写真参照)とホームページの立ち上げなどを行うなどいくつか試行しました.3月14日には再度全班員が集合して,各班で実施した訓練の報告と問題点についての検討を行いました.実施に向けて開催した説明会や電子メールを通じていろいろな問題点や意見が出され,想定している体制にも見直すべき点が多々あることがわかりました.しかしながら,このような訓練を通じて少しでも緊急時のノウハウを蓄積し,“本番”に際してできるだけ円滑な活動ができるよう今後も続けていく意義が大きいと感じました.
写真 静岡県相良にある地殻変動施設点検.

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2002/06/1