広報 No.23 表紙解説

5月3日伊豆半島東方沖地震の表面波が関東平野を伝わる様子

地震火山災害部門  纐纈一起



阪神・淡路大震災以降、強震計や震度計の高密度ネットワークが全国展開され、 この地震(マグニチュード5.7、星印)では首都圏周辺だけで約400点の 強震動記録が得られた(気象庁、防災科技研、東京都、東京消防庁、 神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市、埼玉県、千葉県の協力による)。

これらによって関東平野で発達する 表面波(ラブ波)の伝搬が、初めてスナップショットとしてとらえられるようになり、 周期5秒以上の水平地動速度の軌跡を地震発生40秒後から10秒間描かせてみると (黒楕円)、ラブ波特有の伝播方向に直交した震動が明瞭である。

また、関東山地側の速い伝播の波面(青矢印)と平野内部の遅い伝播の波面( 赤矢印)をつなくように、東北東方向に伝播する波面(紫矢印)が生成されているのが わかる。









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