2.9.6 国際プロジェクト

(1)都市に対する地震災害インパクトの評価と防災のための大規模計算システムの開発

本プロジェクト(平成21年度〜25年度)は,四川地震を契機として,中国と日本の地震工学の連携強化と高度化を目的とした「都市や社会基盤における地震及び台風災害の環境へのインパクト評価と緩和技術」に採択されたプロジェクトである.本センターの所属教員が日本側の研究代表を務めている.中国側は,精華大学計算科学と大連工科大学機械工学科であり,大規模数値解析手法の開発,大容量データの可視化手法の開発,解析と可視化の連携のためのシステム化を行った.中国の可視化技術と日本の計算技術を融合させ,システム開発を行った点がユニークな試みであるとして,高い事後評価を受けた.

(2)マルマラ海域の地震・津波災害軽減とトルコの防災教育

JAMSTECが研究代表を務める本プロジェクト(平成25年度〜29年度)は,トルコと日本の国際プロジェクトである.このプロジェクトは4つの課題から構成されるが,本センター所属教員はその内の一つである「地震特性評価及び被害予測」を担当している.これは,地盤構造のモデリングと解析及び強震動推定,大規模実験及び先端数値解析を使った構造物耐震性評価,そしてハザードマップ作成から構成されている.客員准教授として来日中(2013〜2014)のトルコ研究者とともに,マルマラ海域の主要都市であるイスタンブールにおいて,統合地震シミュレーションの開発を進めている.