2.9.8 学内連携

(1)地震・火山シミュレーション室

地震・火山シミュレーション室は,所内の地震・火山・計算科学の3つの研究者グループが集まっている(図. 2.9.8.1参照).地震・火山・津波のシミュレーションや,地震活動のモニタリングとシミュレーションの融合,それを支える大規模計算の理論構築と技術開発を行ってきた(図. 2.9.8.2図. 2.9.8.3参照).「防災・減災に資する地球変動予測」という京コンピュータの大型プロジェクトの中で,センター所属教員2名が2つの課題を担当することを契機に,所内で,観測固体地球科学や地震工学という学問に計算科学という新しい学問を融合させることを理念としている.

大型外部資金の獲得は,所長裁量経費で設置された室・部の要望事項である.センター所属教員が,地震工学と計算科学の融合をテーマにした研究課題で,科学研究費基盤研究(S)を獲得しこの要望事項は満足した.

(2)データ同化

データ同化は,所内外の地震観測研究者グループと所外の統計数理科学研究者のグループが集まり,データ同化手法を地震観測データ等に適用し,新しい観測データ解析理論の構築や解析手法の開発を目的としている.センター所属教員がこのプロジェクトの中核を担い,データ同化という手法の適用を超えて,データ駆動サイエンスという新しい学術領域の創生にも貢献できるよう,研究を進めている.

(3)工学系研究科連携

センターの連携教員の一人は工学系研究科に所属する海岸工学を専門とする研究者である.造波機を使った津波実験や駒場全学自由ゼミナールを介して連携を実践している.

(4)東京大学グローバルCOEプログラム「都市空間の持続再生学の展開」

「都市持続再生学の展開」は工学系研究科の建築学・都市工学・社会基盤学専攻が行ったGCOEプロジェクト(平成20〜24年度)である.センター所属教員が中核研究者としてこのプロジェクトのシミュレーション研究を担当した.