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関東を襲う大震災と強振動
    ―地震観測と地球シミュレータで見る関東平野の大揺れ―

古村 孝志(東京大学地震研究所 助教授)

2005年8月4日

地震の多い関東

 私たちの住んでいる関東では、直下の地震が起きるといわれています。東海、東南海地震も起きます。津波はもちろんですが、一体どういう揺れが関東にやって来るのかをあらかじめ知っておくことは大事です。私の話は、関東に一体どういう地震が起きるのか、そのときどういう揺れになるのかということです。日本列島にある高密度の地震観測網のデータの解析と、地球シミュレータという海洋研究機構の大型のスーパーコンピューターを使った解析をしましたので、紹介したいと思います。

 2週間ほど前にも、関東の下で大きな地震がありました。このときの震央は千葉県の北西部ですが、震度は最大5強でその有感の範囲はずっと遠くまで延びました。こういう深い地震が起きると、下に沈み込んでいるプレートに沿って地震波が遠くまで伝わり有感となります。これを異常震域といいます。また、大きな震度というのは、なぜか震央の真上の千葉ではなくて、10km以上も離れた足立区だったのです。実は足立区の揺れが大きくなるというのは昔からいわれていて、大きな地震が起きると大体いつもこうなります。大体、埼玉から東京、横浜にかけてのバナナの形をした範囲の震度が大きくなって、その中でも、今回は特に足立区が大きかったのです。ここは、昔、荒川が流れていた跡ですから、河川の堆積物がたくさん積もっていて、地盤が軟らかいので、地震で大きく揺れるわけです。

 なぜ関東はこんなにたくさん地震が起きるのかというと、東京のちょうど下に、フィリピン海プレートと太平洋プレートという二つのプレートが沈み込んでいるためです。そのため特に東京の下あたりでたくさん地震が起きています。気象庁は1日300個の地震の震源を決めるそうです。震源が決まらない地震も入れるともっと多くなります。世界で起きる地震の10%は日本製です。

関東の地下構造

 関東平野は、地震が下で起きても遠くで起きてもよく揺れます。特に、中越地震のときには、東京は200kmも離れているのに、ゆっくりとした揺れが長い間続きました。これを長周期地震動といいます。おととしの十勝沖地震では、5〜6分たって横波が平野を通り抜けたあとも、ずっと揺れが残りました。去年9月の紀伊半島南東沖の地震は400km離れていますが、やはり東京がよく揺れました。中越地震は距離が近かったので東京はものすごく揺れました。なぜ東京がこれほど大きく揺れるのか。

 これには東京の地下構造が大きく影響しています。地下の構造を調べるためによく行われるのは、人工地震を起こす方法で、地震波を使って調べます。バイブロサイスと呼ばれる起振車で地面を揺すり、弱い地震を起こして、深いところから返ってくる波によって、下が硬いのか、軟らかいのかを調べます。また、東京は海に囲まれているので、エアガンという圧縮空気をドンと送り出して、地下深くから跳ね返ってくる地震波を使って地下構造を調べます。

 そうやって調べると、東京を支える基盤は、ぐっとえぐれていて、このあたりの下だと3000〜4000m下まで行かないと硬い基盤岩はなくて、その上に3000mも4000mも軟らかい堆積層が載っていることが分かりました。いわば、すり鉢の中にプリンか豆腐があって、その上に我々の家が建っているのです。地震が起きて、下のすり鉢を揺すると、上がぶるぶる揺れるのです。これは揺れて当たり前なわけです。

 今から9か月前に起きた中越地震は、新潟から神戸にかけてのひずみ集中帯と呼ばれる、地震がたくさん起きる場所で起きました。今では日本列島には地震計がたくさん置いてあるので、震源のごく真上で地震の揺れを記録することができました。右図の左は震源の真上にある小千谷市で記録された加速度です。重力加速度よりもはるかに大きい揺れ(加速度)が震源の真上で働いたことが分かります。重力加速度より大きくなれば、ほとんどのものが重力に打ち勝って跳び上がるのです。飛び石と呼ばれる現象で、大きな石が跳んだり、モルタルで張ってあったコンクリートベンチが跳んだりしました。東小千谷中学校でピアノが跳んだり、また市内ではお墓の石がポンと跳んだりしています。

 この地震で東京も大きく揺れましたが、変な揺れでした。右図の上はそのときの江東区の揺れを表した地震波形です。最初にP波(縦波)が来て、それからS波(横波)が来ています。これらは小刻みな揺れです。ところが、それから1分ぐらいたってから、急にゆっくりとした後揺れに変わっています。これが中越地震のときの東京の変な揺れの正体です。揺れの周期を測ってみると、7秒あります。つまり、揺れの途中からゆっくり船が揺れるような後揺れに変わっているのです。震度は、東京はわずか3です。こういうゆっくりとした揺れはほとんど震度には表れませんが、実際に地面が何cm動いたか、すなわち最大変位をみる揺れの大きさがよく分かります。調べてみると、東京は最大5cmぐらいも動いていました。

 この変な後揺れはどこからやって来たのか。中越から千葉にかけて、地震波形を並べて、後揺れの生誕地を調べました。そうすると、群馬と埼玉の間ぐらいで生まれて、関東平野に入ってきて、大きく発達したということが分かりました。関東平野のへりで長周期の地震動が生まれたのです。これは表面波と呼ばれる波で、中越からやってきた横波がすり鉢のへりに当たって、そこで表面波に変換して地表を伝わってゆっくりとやって来たことが分かってきました。こうして東京はとても長く揺れました。一波来たあと、また一波と、どこかからどんどん波がやって来ています。

 どこからこのような長い波がやって来たのかということをもう少し見てみます。東京には、K-NET、KiK-net強震計のほかに、自治体にはそれぞれ震度計があります。この震度計が時間とともにどういうふうに揺れたのかを見ると、表面波がどこからやってきたのか分かります。最初に群馬の県境からまっすぐ表面波がやって来ます。それ以外に、東京を横断して都心に曲がり込んで来る表面波が見られます。神奈川に向かった波が、川越から所沢、国分寺あたりに入ると、急に方向転換して都心に向かってやって来るのです。すり鉢のへりに沿って神奈川の方向に向かっていたのが、東京の下あたりが堆積層が深くなっているので、深いところに落ち込んでいくのです(図)。

 これが本当かどうか、また、波がこのあと都心からどこへ行くのかを見るために、地球シミュレータを使って計算してみました。中越から関東にかけての地下構造を非常に細かく、200mの間隔で26億格子にモデル化しました。一つ一つの升目に、軟らかい・硬い物性をおいて、波がどう伝わっていくかを計算しました。

 そうすると、まっすぐ来る波と曲がって都心にやって来る波が再現できました。そして、関東平野の下では、すり鉢の底に表面波が集まって来ること、そして集まった波が東京湾を千葉に向かって行ったり来たりしながらいつまでのとどまるために、長く大きい揺れを作るということがわかりました。つまり、地震波の伝わり方には地下構造が非常に重要であることが確認できたわけです。

東海・東南海地震による関東の揺れ

 今から60年前に東南海地震というのが起きています。このときはなぜか破壊が東海地方まで行かなかったために、東海地震ではなく初めて東南海地震という名前がつきました。割れ残りがあるわけです。東海地震は100年ぐらいの周期でこれまで繰り返し規則正しく起きている地震ですが、すでに60年たっているので、そろそろ次の地震が起きます。東海地震は、1944年の東南海地震の残りですからもうすぐ起きる可能性があります。東南海地震も今後30年以内に60%、南海地震も50%という数字が出ていて、これらの確率は10年たつごとに10%ずつ上がっていって必ず起きる、避けられない地震なのです。

 東海地震、東南海地震が起きた場合に、東京はどういう揺れになるかを、コンピュータで計算してみました。ここで考えるシナリオとして、まず東南海地が熊野灘から起きて破壊が東に進んで、断層が割れ残っている東海地震も誘発して、地震が二つ同時に起きることを考えます。これは過去の例から考えても、最も起きやすいシナリオです。シミュレーションの結果は、東京は90秒後ぐらいから揺れ始めて、波が通過したあとも、都心部では揺れが残ります。震度は、震源から400kmも離れているので4〜5程度ですが、周期7秒ぐらいのゆっくりとした揺れが強く表れるということに注意しなければなりません。中越地震よりも怖いのは、マグニチュードが大きいために、遠く離れていても長周期地震動が強く、大きく長く揺れるということです。

 そういう揺れで、どのような建物が共振して大きく揺れるかを計算してみました。地震動の計算結果を、ドームや超高層ビル等が林立した仮想のまちの下に入れて、まちを揺すり、それぞれのビルがどう大きく揺れるかを東工大の市村先生に計算してもらいました。地震が起きて、やがて高層ビルが揺れ始めます。低いビルはほとんど揺れません。高層ビルだけが共振で大きく揺れます。しかもいったん共振が起きると、両振幅で最大3m程度、それが5〜10分ぐらいにわたって、いつまでも収まらない。これが、巨大地震による長周期地震動の怖さです。

関東直下の地震

 東京は、直下の地震も心配しなければなりません。東京の下にはフィリピン海プレートと太平洋プレートの2つが沈み込んでいますから、これらのプレート間、またプレートの中で地震が起きます。いろいろな深さで、いろいろなタイプの地震が起きるのです。いちばん怖いのは、フィリピン海プレートの上面で起きる「関東地震」と呼ばれるタイプの地震です。この関東地震は、前の元禄地震が300年前、大正の関東地震が80年前、どちらもマグニチュード8クラスです。関東地震はおおよそ240年の周期で繰り返していますから、恐らく次に起きるのは100年ぐらい先ではないかと思います。

 これは一つの説ですが、地震が起きたり起きなかったりするのには、活動期と静穏期というものが繰り返すのではないかという考えがあります。もちろん異論もあります。東京は今までは静穏期だったが、最近また活動期に入ってきたのではないかとみる研究者もいます。となると、今度の関東地震が起きる前に、関東の下でM7クラスの地震が起きるのではないかという心配が出てきます。東京では100年に2〜3個ぐらいM7クラスの地震が起きていますから、今後30年以内に起きる可能性として70%という大きな数字が出ています。

 ただ、起きることは確実であっても、それが一体どの深さで起きるかは分かりません。前に起きた安政江戸地震(150年前)、明治東京地震(110年前)等、たった100年くらい前の地震ですらどこで起きたか分かっていないのです。分からないということは、一体どういう地震に備えればいいか、防災を考えるうえでとても困ったことになります。

 安政江戸地震、明治東京地震がどういう地震であったかを簡単にご紹介します。安政江戸地震というのは150年前で、地震が起きた場所は、被害がいちばん大きかったことから、恐らく隅田川の河口付近、東京湾の北あたりだったのではないかといわれています。被害からみてもM7クラス、最大震度は6強で、東京で7000人のかたが亡くなり、全壊家屋が1万4000棟です。江戸の震度も詳しく分かっていますが、深さは全然分かりません。震度が大きくなっている場所は地盤の悪い場所で、どの深さで地震が起きても、いつも決まってこんな震度分布になるからです。

 110年前には明治東京地震という、別のM7クラスの地震が起きています。被害のほとんどは、埼玉から東京、横浜にかけてで、有感の範囲は青森から中部地方まで延びています。この地震もやはり深さはよく分かっていません。

 しかし、深さを何とか決めないと、将来の地震に備えることができません。関東はどこで地震が起きても地盤の悪いところは大きく揺れますから、震度分布を見ていてもいっこうに分かりません。でも、日本全域の震度分布を見ると、例えば安政江戸地震は、震央の真上だけ大きくてそのあと急に小さくなってすそ野が広い、「富士山型」になっています。明治東京地震は楕円状の同心円で、その長軸が北西・南東方向に向いています。明治東京地震の余震ではないかといわれるM6.7の地震を見ると、マグニチュードが小さいのに、太平洋側が北海道まで揺れています。これは異常震域です。これらの震度分布の違いには、地盤ではなくプレートやマントルの影響が効いていると考えられます。

 そこで、東京の震度ではなく、日本全域の広い震度を見れば、その地震がどのプレートで起きて、どのような波の伝わり方をしたのかを調べることができるのではないかと考え、地球シミュレータで計算を行ってみました。地球シミュレータの中で、浅い地震、フィリピン海プレートの40kmの地震、太平洋プレートの85kmの地震の3つを起こして、それぞれの波の伝わり方と震度分布を調べ、安政江戸地震、明治東京地震、明治東京地震の余震の震度分布と比較してみたわけです。

 浅い地震の場合は、震源の真上ではすごく強い揺れになりますが、震源から離れるとどんどん弱くなっていきます。その結果、震度分布は震源の真上が大きくてすそ野が広いというパターンになります。フィリピン海プレートで地震を起こすと、プレートに沿って波が伝わっていくので、フィリピン海プレートの形に震度分布が伸びます。もっと深い太平洋プレートで地震を起こすと、太平洋プレートに沿って地震が北まで伝わっていく異常震域が起きるために、北海道のあたりまで有感の範囲が延びます。

 これをそれぞれ観測と比較すると、明治東京地震はフィリピン海プレートの地震と、安政江戸地震は浅い地殻内の地震と似ているように見えます。そして、明治東京地震の余震と考えられている地震は、実は太平洋プレートの地震であり、余震ではなかったのではないかと考えられます。

 安政江戸地震は、直下で起きた浅い地殻内地震である可能性が出てきました。将来も同じような地震が起きる可能性もあるわけですから、そのときにどういう揺れになるか、コンピュータシミュレーションから考えてみる必要があります。そこで、地球シミュレータを使って、安政江戸地震の震源に断層を置いて地震を起こし、揺れがどう伝わって、東京がどのように揺れるかを計算してみました。その結果は、断層の深さ10kmぐらいから破壊が開始したあと、約10秒後から東京の都心が揺れ始めます。震源から出てきた地震波は何度も堆積層の中を跳ね返り、すり鉢の外へ出ていきません。特にすり鉢のへりや東京湾の下の深い場所では揺れが1分以上にわたって長く続きます。

 図は計算から求めた震度分布です。首都圏のあたりは震度6強の揺れになります。飛び地のように震度7の場所が湾岸などに出ていますが、これは地盤が悪く、いつ地震が起きても震度が大きくなる場所です。強い揺れは1分ぐらい続きます。これが東京直下で起きる最悪の地震シナリオです。

地震の予知と備え

 地震予知は、30年以内にどれぐらいの確率で起きるのかという長期評価と、今日、明日起きるのかを調べる短期予測の2つがあります。長期評価は非常に研究が進んでいます。その元となっているものに、GPSの観測網があります。これはカーナビに使われている位置決めシステムを高精度にしたものです。日本の1200か所に置いてあって、日本列島のどこが変形しているかがリアルタイムにわかり、将来どこで地震が起きるかが分かります。

 もう一つは、地震波の解析技術の進歩です。大きな地震が起きると、その地震波を詳しく解析して、海溝のプレート沈み込み帯のどこが大きく滑ったのかということが詳しく分かるようになりました。昔起きた地震も、同じように詳しく解析します。そうすると、大地震というのは、起きる場所がはっきり決まっていて、その同じ場所で繰り返し起きるということが分かってきました。どこで何回地震が起きたか、そしてその繰り返し周期が分かれば、今後30年の間にどれぐらいの確率で起きるかがはっきり言えます。

 長期評価の地震発生確率は、防災計画として、学校を強くする、避難所を整備する等、まちづくりに直接生かされます。このように、海で起きる地震についてはよく分かっているのです。

 次に短期予測について考えます。東海地震の前兆現象は24時間体制で監視されています。東海地震は、フィリピン海プレートが陸のプレートの下に潜り込んでいる場所で置きます。その震源域が御前崎から陸の中に入っており、地震が起きる場所の真上に観測点があるので、そのひずみ計を調べることによって、地震の前から徐々に滑りが始まる「前兆すべり」が検出できると考えられています。こういうことができるのは東海地震だけです。それ以外の場所では24時間の監視体制下に置かれているわけでもなく、ましてや直下で起きるマグニチュード7の地震の短期予測は、ほとんど無理だと考えられており監視は行われていません。くどいようですが、短期予測・予知はマグニチュード8クラスの東海地震だけに可能性があるということです。これ以下の小さな地震では現在の陸の観測網では無理なのです。1944年の東南海地震のときには前兆すべりが見られたといわれていますが、肝心の東海地震に関しては、今回が初めての試みですから、本当にうまく検出できるのか、恐らくあと3〜4回は東海地震を経験しないと、短期予知の確実性のはっきりとした結論は出せないと思います。

 海の地震は長期予測はOK、短期予測も東海地震についてはうまくいきそうだと考えていますが、内陸で起きる活断層の地震は正直難しいところです。内陸の活断層の地震は、1000年ないし1万年に1回という、めったに起きない地震です。地下の構造探査を行ったりし、断層を直接掘って過去の活動履歴を調べて、例えば地震発生間隔が1200年±300年とおおざっぱな推定値が得られるわけです。すなわち、今後30年という短い時間で区切って地震の予測をするのは非常に難しいのです。

 では、海溝型の地震や内陸直下の地震に備えて私たちはどうしなければならないのか、また何ができるのでしょうか。まず、前に起きた地震の被害を知り、将来起きる地震の被害を考えることが肝心です。つまり、将来の地震を昔の地震に学ぶのです。

 右図の左は1923年、大正の関東大震災のときの東京の震度分布です。震源は40km離れた小田原のあたりになりますから、東京の各地にやってくる地震波の揺れの条件は同じですが、下町のあたりは震度6強から7なのに対して、山の手は震度5弱から6ぐらいしかありません。震度が違う原因は地盤にあります。埋め立て地や昔、川が流れていたところなどでは震度が大きくなっているのです。

 そうすると、震度が大きくなるところでは、他よりも家を強くする。自分の住んでいる家がどれだけ揺れるかをよく知って、それに合わせて耐震補強をすることが大事です。阪神・淡路大震災のときの死因の8〜9割は、建物が倒壊して、その下敷きになったことによる圧死あるいは窒息死です。家が倒壊してから15分以内に亡くなったことが分かっていますから、地震が起きてすぐに救援に駆けつけたとしても間に合わないのです。家を強くする以外に助かる見込みはないのです。

 まとめますと、関東平野は3000〜4000mの厚い堆積層に覆われている、世界でもまれに見る場所です。このため、地震が起きると大きく長い揺れが続きます。さらに、平野の周囲で大地震が起きると周期が7秒にもなる長周期地震動が平野にやって来ます。長周期地震動は平野で何倍にも大きく増幅され、大型構造物は共振により大きく長く揺れます。さらに地盤の悪い場所では震度が大きくなります。東京は、遠くで起きる地震に対して、それから直下で起きる地震についても備えをしなければならないのです。東京の家は他よりもずっと強くしなければならないのです。

 東京が、あるいは自分の住んでいる家が地震で大きく揺れる原因を知り、十分な対策をとれば、地震は全然怖くありません。最近の家は十分強くできているので、しっかり対策を立てておけば震度7でも平気です。過去の揺れと被害をよく調べることによって、将来の地震の揺れがわかるのです。これら地震の性質を知り、それに備えてれば地震はまったく怖くない。これが私の話の結論です。


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