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地球ダイナミクス部門

 本部門では,地震・火山などに関連した現象を,地球全体からみた視点において明らかにすることを目的として,理論,データ解析,観測,室内実験等の手法を用いて,総合的な見地から探ることを行っている.

地球テクトニクス分野

 この分野では,地球表面の各所でおきる多様なテクトニクスをグローバルな地球内部変動の視点から理解することを研究目標としている.特にプレートテクトニクスに伴った水の循環と地震発生・テクトニクスとの関係に注目している.現在の研究テーマは次の通りである.1)日本付近のプレート運動,2)プレート・スラブ内応力場,3)プレート運動原動力,4)プレート間地震・スラブ地震・上盤側プレート内地震の発生メカニズム,5)マントルウエッジの蛇紋岩化とテクトニクス.

地球テクトニクス分野
低周波微動(橙色,Obara,2002)は島弧地殻が沈み込むところでは起きていないが,そこはスラブ内地震活動が沈み込む地殻内で欠損するところでもある.そのような地震が地殻の脱水で起こるとすれば,そこは海洋地殻からの脱水がないか起こりにくいところと考えられる.この場所ではプレート間地震活動も低下する.

地球ダイナミクス分野

 この分野では,地球内部の変動とその地表に表れた地学現象を,様々なモデル化を通して理解する事を目標としている.具体的には,マントル対流や,その一部である沈み込み帯の数値シミュレーションを行っている.

沈み込み帯の三次元温度および温度異常構造
沈み込み帯の三次元温度および温度異常構造

理論火山学分野

 この分野では,火山現象およびマグマのダイナミックスに関する理論モデルの構築を進めている.最近の成果としては,(1)火山噴火が爆発的なものになるか,あるいは溶岩ドームを形成するような非爆発的な噴火になるか,という条件を決定する要因を特定する,(2)爆発的噴火におけるマグマの噴出率を決定する要因を特定する,(3)火山噴煙および火砕流の数値モデルの構築,(4)マグマ溜り中の熱物質輸送およびマグマの分化作用に関するモデリング,などが挙げられる.

実験マグマ学分野

 この分野では,富士火山,三宅島火山,浅間火山などのマグマ組成の変遷や噴火のメカニズムに対するマグマ学的研究を行なっている.特に,揮発性成分の挙動に注目し,火山噴出物の結晶中に捕獲されたガラス包有物の分析に力を注いでいる.

ガラス包有物
ガラス包有物

地球化学分野

 この分野では,多重検出器磁場型ICP質量質量分析計(Micromass IsoProbe)やレーザーアブレーションシステムつきのQマス型ICP質量分析計を用いて,沈み込み帯での物質循環とそのスピードを調べる研究を主に行っている.物質循環のトレーサーとしては,リチウム,ハフニウムなどの同位体トレーサーを,スピードを調べるためにはウランの放射壊変系列の放射性核種(234U,230Th,226Ra)を用いている.

IsoProbeのプラズマイオン源
IsoProbeのプラズマイオン源

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