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プロジェクト

都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト

この大型研究プロジェクト(平成24年度~28年度)の中で,本センターが担当する課題は「観測に基づく都市の地震被害評価技術の開発」である.これは,この大型研究プロジェクトの根幹であるMeSO-net(地震予知研究センター2.5.5(1)を参照)で観測したデータと広域都市モデルを使い,都市の地盤と構造物の揺れを計算する大規模シミュレーション手法を開発し,観測と計算を融合させた,都市の地震被害評価技術を開発するものである.

(1)地震動・地震応答の大規模数値解析手法の開発

都市の表層地盤と構造物群を忠実に表す都市モデルを構築するとともに,大規模数値解析によって地震動と構造物地震応答を計算する手法を開発する.入力はMeSO-net等で観測したデータであり,この観測とのインターフェイスの開発も行う.京コンピュータに特化したチューンアップとは別に,本センターで開発されてきた大規模数値解析手法を発展させ,地盤の非線形解析手法と構造物の非線形地震応答解析手法を開発した(図. 2.9.4.1参照).これは,並列計算も可能であり,地震動・地震応答の大規模数値解析手法のプロトタイプとなるものである.

(2)大規模数値解析結果の先端可視化技術の開発

地震被害評価は大規模数値解析の計算結果に基づくが,これには膨大な量の計算結果を効果的に可視化することが必須となる.3次元視とマルチスケール視が可能な可視化技術を開発するとともに,応急評価に使えるよう高速処理も併せて実現する.都市に関する地理情報システムのデータを利用することで,地盤の都市モデルと構造の都市モデルを構築することに成功している.特に構造物は一棟一棟がモデル化されている.また,高性能ビデオボードの性能を引き出す1,000 mから1 mのマルチスケール視ができる可視化技術も開発した(図. 2.9.4.2参照).