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プロジェクト

共同利用-シミュレーション統合

本センターの設立に際して考えられた理念は理工学連携強化とシミュレーション統合であるが,地震研究所共同利用の枠組みを介してシミュレーション統合を具体化することが,このプロジェクトの目的である.シミュレーション統合は,シミュレーションを介した地震・津波・災害の情報伝達を進めるが,これには,各大学で構築された数値解析手法等の計算ソフトウェア資源が必要である.ソフトウェア資源を本センターで開発している統合地震シミュレーションに実装することで,シミュレーション統合を進める.

なお,シミュレーション統合には計算ハードウェア資源の維持管理も不可欠である.このため,京コンピュータを頂点,それに準ずる各大学・研究機関の大型並列計算機・計算サーバ,という計算ハードウェア資源の有効利用も計画している.具体的には,京コンピュータは大規模数値計算を使った統合地震シミュレーションの性能検証,性能検証を受けた統合地震シミュレーションを各大学のハードウェア資源を使って実行する,という計画である.

共同利用研究として,平成24年度国際・学際共同研究「巨大地震・地震災害のシミュレーション統合の基盤構築」と平成25年度共同利用研究(B)「巨大地震津波災害のシミュレーション統合」が採択されている.どちらも研究代表者は神戸大学都市安全研究センターの飯塚教授である.全国大学の防災に関わる研究センターに属する研究者がメンバーである.大学が所在する都市での統合地震シミュレーションの開発を進めている(図. 2.9.7.1図. 2.9.7.2参照).

この共同利用研究では,理工学連携強化も進めている.具体的な研究課題として,超高精度列島モデルと大規模計算を使った,2011年東北地方太平洋沖地震の地震インバージョンを進めている(図. 2.9.7.3参照)