噴火現象と火山噴煙

爆発的な噴火では,マグマの破片と火山ガスの混合物が勢いよく大気中に噴出します.マグマの破片と火山ガスが乱流状態で大気に噴出しているものが噴煙の実体です.噴煙の「もくもく」のひとつひとつが乱流の渦です.この渦によって噴煙は上昇途中に周囲の大気を取り込んで膨張してゆきます.


噴煙として上昇するか火砕流になるか?

地表に噴出した時点でマグマの破片と火山ガスの混合物は,一般には大気より高密度の状態にあります.したがって,そのままの状態では,噴煙は上昇するとともに運動エネルギーを失い,ついには(噴水のように)下降流となってしまいます(それが,火砕流).しかし,乱流によって大気を十分取り込むと,取り込まれた空気が膨張して全体として大気より密度が小さくなり,浮力によって「気球」のように大気を上昇してゆきます.つまり,噴煙として上昇するか火砕流になるかは噴出直後に噴煙中に大気を取り込めるかどうかにかかっているのです.


研究グループの問題意識

火山噴煙の規模や運動はマグマから大気に与えられた熱エネルギーの指標になります.

噴煙が大気中でどのように拡大するか?

リモートセンシングによる噴煙の観測や噴煙から落ちる降下火山灰の性質から噴煙の運動,熱エネルギー量など噴火現象の指標となる量を読み取れるか?

などが主な研究対象となります.

また,噴火現象は高温のマグマが地下水と接することによって爆発的になります.地下水が噴火様式に与える影響にも興味をもっています.

関連する研究メンバーの研究

小屋口剛博による研究


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