平成16年浅間山噴火特集ページ
<火山噴火予知研究推進センター>
件名:9月23日噴火の噴出物について(速報)
9月23日19時44分頃噴火の噴出物調査を23日夜から24日朝にかけて,地震活動を軽井沢測候所に確認しながら行った.
146号道路上の火山礫降下現場(4km付近)に噴火後約1時間後に到着したが,降灰は観察できなかった.硫黄臭がした.
有料道路鬼押出し園付近から降灰が多くなり有料道路北ゲート,県道交差点(すずらん坂バス停付近)で午後10時過ぎの到着時には灰はすでに降りやんでいた.
浅間園の下の有料道路カーブ付近(火口から約4km)で火山礫の最大粒径4.5cmで火山礫降下密度が最大.この地点における1平方メートル当たりの火山礫の重量は約100gで,9月1日噴火の等距離での重量の1/10に当たる.
火山礫の主軸は浅間園付近やや東.降灰の主軸はそれよりやや西よりとなる.
降灰は6km付近から目立ち6km程度で最大と思われる.
火口から北北東約6kmの場所で東西に走る県道沿いでは東西幅約7.5km幅で降灰.
火山礫は,多い順に,1)黒灰色の安山岩角礫,2)灰色の扁平な安山岩角礫(多孔質黄色から赤のぼんやりとした縞模様あり),3)黒色スコリア質安山岩,4)赤色安山岩角礫.明らかに発泡した軽石はほとんど見られない.1,3は溶岩ケーキに由来するもの(それぞれ,外側,内部,表面か?),2,4は火道壁に由来するものかもしれない.
火山灰はこれまでのものに比べて赤っぽく,酸化状態の進んだ粒からなる.
【参考図】
(1)9月23日噴火の降灰図(暫定版) | (2)9月23日噴石の写真(浅間園北有料道路上) |