三宅島島内におけるGPS稠密観測網でとらえた地殻変動
三宅島火山総合観測班(GPS観測グループ)は,6月26日の群発地震で始まった
三宅島における火山活動に対応して,6月27日早朝よりGPS観測を行ってきた.観
測点分布は図1のようになっている.図2はこれらの観測網でとらえられた6月26日
-27日のマグマ貫入事件前後の地殻変動である.地殻変動として顕著なのは,山頂付
近を中心にした沈降と,三宅島西岸が北東および南に開いていることである.これ
は,6月26日-27日以前に山頂直下にあったマグマがどこかへ移動していった,
その一部もしくはすべてが三宅島西岸から海の方へ貫入していったと考えれば説明で
きる.図3は7月始めから8月始めにかけての地殻変動である.これより,雄山山頂
からやや南かけての地域を中心とした収縮が続いていることがわかる.
図1
図2
図3