D> 災害危険区域予測図

以下,2つの場合について災害危険区域を予測しま した.

1.1983年規模の噴火の時

噴出量の積算図
1000年前〜1940年噴火による噴出物分布
1874年、1962年、1983年噴火による噴出物分布
1983年規模の噴火があったときの災害危険区域予測図
これは,数十年に一度起こる噴火の規模で,山 腹から割れ目が放射状に海岸に向かってのび, 火のカーテンをつくるような噴火です.噴き上 げられたスコリア,火山灰は風下(主に火口の 東側)に向かって吹き流されて降下します.ま た火口から流れ出した溶岩は人が歩く程度の速 さで谷に沿って流れ下り,1〜2時間で海岸に達 します.また割れ目が,海岸近くまでのびると, マグマが地下水や海水と触れて,極めて爆発的 なマグマ水蒸気噴火が起こることがあります.
これまで,この程度の規模の噴火では主な噴火 活動は12時間から24時間以内におさまることが 多いのですが,山頂噴火が引き続いて起こると, 活動は1ヶ月程度続くことがあります(1940年). また,地震活動は噴火開始後数週間〜1ヶ月続 くことがあります.災害危険区域予測図には
1.スコリア,火山灰の降下によって一般車両による通行が困難になる恐れの高い地域
2.割れ目噴火の起きる恐れの高い地域
を示しました.

2. 9世紀の規模の噴火の時

9世紀の雄山および三池の噴火による噴出物分布
9世紀の規模の噴火があったときの災害危険区域予測図
これは千年に一度起こる噴火の規模で,9世紀の 噴火がこれにあたります.このような噴火の陰 には,山頂の雄山付近の活動が活発で,山頂火 口からの降下スコリア,火山灰がが島内全域で 10cm以上の厚さに積もる恐れがあります,ま犬 山頂付近から溶岩流が各方面に流れ下る可能性 があります.割れ目噴火や,海岸近くのマグマ 水蒸気噴火も予想されます.この規模の噴火は 数カ月〜数年にわたり活動を続けることが予想 されます.災害危険区域予測図には
1.雄山,八丁平大量の溶岩が噴出すると溶 岩の到達する可能性が高い地域
2.雄山から大量のスコリァが噴出すると家 屋に被害がでる恐れの高い地域
を示しました.

災害危険区域予測図(最新版)[2000/06/27 11:00]