三宅島情報 2000/10/11 07:00 多幸湾乗客待合所に集合.ガスマスク等の装備を配布される. 07:40 2隻の漁船に分乗して1隻は大久保漁港に,我々(笹井・及川) の乗る光明丸は坪田漁港に向かう.本日の主要任務は神着と坪 田の両側から泥流を除去しながら,この2集落の間を車両通行 可能にしよう,というもの.我々には東京都環境局職員梅沢氏 が同行して1班を形成,独自に動けることになった. 09:20 坪田漁港付近で待機.北東の風で,曇り,山頂は見えず. 09:40 P3C から「火口は見えないが,雲の高度2800m の上には噴煙は 無し」との報告.昨日午後と同じく「雲の上の噴煙を監視でき る体制になった」として,作業にゴー・サイン. 10:00 及川が作業班の車で三宅村役場に向かい,ランド・クルーザー で戻る.地震研作業班3名は以後,ランクルで移動. 10:10 三宅島空港消防に到着.SO2 0.1ppm.GPSのための太陽電池取 りつけ開始. 11:20 作業終了.GPS測定開始. 11:55 坪田のはずれ,KNS(金曾)観測点のプロトン磁力計データROM交 換終了.SO2 0.1ppm. 12:40 アカコッコ館到着.SO2 0.6ppm. 梅沢氏の指示で簡易ガスマス ク(地震研から持参)を装着して以後の作業をする.TAR(大路 池)プロトン磁力計のデータを回収,バッテリーを交換. 13:10 大路池の北側のプロトン磁力計観測点TRN(大路中)を目指し, 大路池一周道路の入り口付近に到着.大路池を含む古澪のくぼ 地は青白いガスが停留していて危険と判断し,TRN行きは中止. 13:25 坪田漁港にもどり,作業班の帰着を待って待機.及川はランク ルを村役場前に返し,作業班と共に帰着. 15:00 光明丸,坪田漁港出航. 16:30 神津島多幸湾に着岸. 本日の作業で,GPS・電磁気班は当面実施可能な三宅島一周都道ぞい の観測はすべて終了した.明日の東海汽船で帰京する. 1)GPSは新澪池,阿古火葬場,あじさいの里,観光ホテル,三宅島空 港の5観測点に太陽電池を設置,連続観測に入った.電磁気観測では 一周都道沿いの東西南北の4観測点,ENK,KMT,KNS,TARのデータを 回収,KMTを除き,連続観測を継続中.(この他2観測点ではテレメー タにより連続観測中). 2)現在の三宅島観測体制(神津島を基地として漁船で三宅島に通う, 気象庁が観測班の調整を行う,大学観測班は火山ガス監視要員が同行の 上で,実質的には独立した班として行動できる)は当面続くであろう. 気象庁との連携プレイが重要.一方,大学観測班は偵察の機能も果たせ る. 3)我々3名(笹井,及川,大湊)は気象庁班と同宿.宿から出帆港へ の移動も気象庁の車に依存していた.早朝の出発に際して,気象情報が 出動OKの決め手になるので,気象庁班(三宅島測候所班を含む)と一緒 に動くことに非常なメリットがある.現在の宿は中村屋. 4)昨日と本日の経験を経て,現地作業班への指示(東京都庁本部災対 から)はより柔軟になった.過剰警戒で仕事が出来ない状態は抜け出し つつある. 5)しかし大学観測班は一層慎重な(偵察)行動が必要. 6)次のステップは村営牧場付近での観測体制整備. 笹井洋一