三宅島情報 (GPS班)

12月25日(月)
薄曇だが、風が強い(最大風速15-18m/s)。午後3時頃が強風のピークとの予報。
島内作業は12:30まで、ヘリ離陸13:00と決まったため、予定の作業のうち、伊ヶ谷
と新澪の2ヶ所のみのを行い、他はあきらめることとする。

8:45 空自ヘリ到着。防音用の耳あてが配布される。
9:10 三宅中ヘリポート着。SO2 0.2ppm以下。他無し。
9:20 伊ヶ谷診療所着。GPSデータの吸い上げ。衛星電話アンテナの再設置。
10:45 ヘリの離陸時間が11:45に繰り上がったとの無線連絡。
    伊ヶ谷の作業を切り上げ、新澪に向かう。
11:00 新澪着。GPSデータ伝送用の衛星電話が現地からは繋がることを確認したとこ
ろで
時間切れ。ロガーを交換し、11:10に新澪を離れる。
11:25 三宅中着。
11:45 ヘリ離陸。
12:00 神津島着

ミーティングで、12月25日時点での林道啓開、周回道路の復旧状況の報告あり。

林道
(1)南戸林道 (手嶋牧場経由、笠地蔵へ上る)
   林道に入ってすぐに泥流が流れており、車は不可。徒歩のみ可。
   復旧は年明け後。
(2)雄山林道(レストハウスへ上がる) 
   鉢巻林道まで通行可
(3)坪田林道(坪田高校の先から大路池の東側を上がる) 
   鉢巻林道まで通行可
(4)上山林道(坪田から空港の西を通って、NTT無線中継所の北に出る) 
   鉢巻林道まで通行可
(5)火の山(火の山峠へ向かう)4駆車のみ通行可
  (鉢巻林道まで行けるか、あるいは防災科研の観測点までなのかが聞き取れな
かった。)
(6)三ノ宮(神着から三ノ宮へあがる) 通行可
  重力グループの報告では、アスファルトが陥没して通行不可、との報告があった
が、
  その後復旧したらしい。
(7)伊ヶ谷(伊ヶ谷から雄山西へ上る)
  崖崩れのため通行不可

周回道路
 新澪と大路池の間の不通箇所は迂回路建設のための測量中。復旧には少なくとも
1ヶ月以上かかる。

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12月26日(火)
今日も風が強く、気温が極めて低い。

昨日やり残した作業のうち、阿古の地震データ回収と老人ホームのGPSデータ回収
を行うため、気象庁の作業に同行させていただく。

7:40 気温が異様に低い。多幸湾で点呼中にあられが降る。
8:45 ヘリ離陸
9:05 三宅中着
9:25 測候所着。東工大のCOSPEC装置を回収
10:20頃 三池浜から空港に掛けて、青白いもやがかかった状態。SO2が臭うが、かま
わず
    車を進める。空港付近でにおいがやや弱まる。
10:35 空港着。ガス測定装置の回収。
10:50 空港発
11:35 阿古中着。地震データ回収。あられがぱらつき、しばし作業が中断。
    気象庁の職員は火葬場のカメラ用発発に給油作業。
12:20 老人ホーム着。この点のGPSデータは地上携帯で回収している。明日27日以降
は、
    島内の携帯電話が通じなくなるため、しばらくの間データは欠測する見込
み。年明けに
    何らかの対策をとる予定。バッテリーがやや弱り気味なので、ソーラパネル
の増強が
    必要。
13:25 三宅中着
14:30 ヘリ飛来
15:00 神津着

パジェロは後部ドアが開かないため荷物は積めない。ランクルは快調。どちらも三中
ヘリポートを出て
すぐのところに駐車中。
消防、警察、役場等の車にも故障が増えており、無線やガス検知を担当する同行者も
ランクルに
同乗してもらうことが多い。三宅島内でまともに動く車は貴重な存在になりつつあ
る。
車は時々動かしていれば壊れないので、震研パジェロとランクルについては、使用予
定が無くとも、
三宅上陸のたびにアイドリングをすることなどが必要ではないか。

大学観測班の年内の作業はこれで終了。新年は1月4日から現地災対本部が活動開始と
のこと。
三宅に上陸するためには作業前日の打ち合わが不可欠であるから、三宅に上陸できる
のは
5日以降ではないか?
年明けから渡船に用いられる「えびね丸」は三宅ー御蔵間の移動に使用されていた小
型客船。
80人以上乗れるとのことだが、今まで使用していた漁船を一回り大きくした程度なの
で、
揺れは必至。

大湊