バヌアツとサンタクルズ諸島の地震

ウェブサイト立ち上げ: 2009年10月8日(金)
最終更新日: 2009年10月27日(火)

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2009年10月8日午前7時3分(日本時間,現地では7日午前9時3分),南太平洋のバヌアツ近海(南緯 13.052°,東経 166.187°,深さ35km)でM 7.8(USGSによる) の地震が発生しました.また,その15分後にはこの60km北のサンタクルズ諸島近海(南緯12.554°,東経166.320°)でM 7.7(USGSによる)の地震が発生しています.

マグニチュードが大きく震源の浅い地震のため,震源の近くでは津波が観測され,気象庁も北西太平洋津波情報を発表しましたが,解除されました.

この地震についての情報を報告します.(アウトリーチ推進室)


【更新情報】


【よくある質問の回答】

  • M7.8の地震とその15分後のM7.7の地震は,earthquake doublet(双子地震)と考えられる
  • これらの地震の1時間後に起きたM7.3(USGSによる)の地震は最初の地震の余震と考えられる
  • この1週間で起きた,サモア諸島の地震やスマトラ島沖地震との関連性は考えにくい
  • オーストラリアプレートが太平洋プレートに沈み込む境界面で起きた,プレート境界地震と考えられる

【テクトニクス背景】

バヌアツやソロモン諸島はオーストラリアプレートと太平洋プレートと の境界に位置しており,オーストラリアプレートが(太平洋プレートに対して)北東方向へ年間91mm程度の速度で移動している.今回の地震は,沈み込む方 向に圧縮軸をもった逆断層型のメカニズムをしており,沈み込むプレートの境界面で起きたと考えられる.

その15分後に,この約60km北で起きたサンタクルズ諸島の地震も,同様のプレート境界での逆断層型のメカニズムである.先の地震と同程度のマグニチュード,同様のメカニズムであることから,両者は earthquake doublet (双子地震)と考えられる.

この地域では比較的よく doublet が観測されることが知られている.最近では1997年4月21日にM7.7程度の doublet が起きた.

その他の最近の大きな地震としては,2007年のM7.2,1999年のM7.3があり,後者では津波が発生したが,住民は高台に避難して無事だった.


【J-array で観測された波形】

新J-array地震波形データベースは,日本列島の高感度地震観測網を大アレーに見立て, 世界各地で発生している大地震の地震波をオンライン・リアルタイムで収集し, データベース化したものです.現在,全国の大学と気象庁の約400近い観測点の 3成分の地震計の波形データが地上高速ネットワークを通じて収集されています. 地震波形データは,全て20HzサンプリングのJ-array標準波形データに変換して保存されています.

観測された波形(クリックで該当ページへ)


【リンク】