2010年 中国青海省の地震

ウェブサイト立ち上げ: 2010年4月14日

更新:2010年4月15日

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日本時間の4月14日午前8時49分(現地では午前7時49分),中国の青海省でマグニチュード6.9(USGSによる)の地震が起きました.この地震に関する速報を本ウェブサイトにまとめていきます.(広報アウトリーチ室)


更新情報


基本的な情報

  • 地震発生日時:2010年4月14日午前8時49分(現地では7時49分)
  • 震源の位置:33.27N, 96.63W, 深さ10km(USGSによる)
  • 関連するプレート:インドプレートとユーラシアプレート(大陸プレート同士の衝突による)
  • 震源となった断層: 玉樹断層
  • 地震のタイプ:横ずれ断層型

テクトニクス背景

この地域では中国のあるユーラシアプレートにインドプレートが衝突をしており,チベット高原全体にわたる広い領域で,この衝突による変形(地殻変動)が起きている.今回の地震はこの変形に伴なうひずみが解放されることで発生した.(図1)

図1.GPS観測によるチベット高原周辺の地殻変動.

日本やインドネシア・南米などのように大陸プレートと海洋プレートが衝突している場合は,海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むが,今回のユーラシアプレートとインドプレートのように大陸プレート同士の場合は,一方がもう一方の下に明瞭に沈み込むことはなく衝突帯を形成する.この衝突の影響の及ぶ範囲であるチベット高原ではひずみが蓄積されるためたくさんの活断層ができ(図2),定常的な地震活動が観測される(図3).この地域を代表する断層としては長さおよそ1000kmにも及ぶ鮮水河断層があるが,今回の地震は,この鮮水河断層の一部と考えられている玉樹断層で起きた.

図2.チベット高原周辺の活断層.He and Tsukuda, 2003 に加筆.

この地域の歴史地震としては,1411年9月(M8),1738年12月(M6.5),1866年4月(M7.3),1870年4月(M7.3),1930年8月(M5.5)などがあげられる.特に,1738年の地震は今回の地震の震源のすぐ近くで起きている.

図3.1973年から2010年3月までに起きた地震の震源.(震源のデータにはPDEカタログを使用)


J-arrayの地震波形記録

J-arrayの地震波形記録

新J-array地震波形データベースは,日本列島の高感度地震観測網を大アレーに見立て,世界各地で発生している大地震の地震波をオンライン・リアルタイムで収集し,データベース化したものです.現在,全国の大学と気象庁の約400近い観測点の3成分の地震計の波形データが地上高速ネットワークを通じて収集されています.地震波形データは,全て20HzサンプリングのJ-array標準波形データに変換して保存されています.

地震火山情報センター


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