2011年4月11日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層について

 


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2011年4月11日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層について

  • 第3報(9月7日掲載)-トレンチ掘削による古地震調査
  • 第2報(4月20日掲載)
  • 第1報(4月13日掲載)

第3報(9月7日掲載)

 2011年4月11日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層のトレンチ掘削調査(速報)

石山達也(地震研)・杉戸信彦(名古屋大・地震火山・防災研究センター)・

越後智雄(地域地盤環境研究所)・佐藤比呂志(地震研)

※ 図面の無断転載を禁じます.

はじめに

 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0; 気象庁,2011a)の一ヶ月後,4月11日17時16分頃に福島県浜通りの深さ約5 kmでマグニチュード(M)7.0の地震が発生した(気象庁,2011b).この地震に伴って,塩ノ平断層に沿って地表地震断層(正断層)が長さ11 kmにわたり連続的に出現した(例えば石山ほか,2011; 杉戸ほか,2011など).この地震は東北地方太平洋沖地震の直後に活断層に沿って発生した最大の内陸地震であり,海溝で発生する巨大地震との関連が示唆される.我々は,塩ノ平断層の過去の活動履歴を調べる目的で,トレンチ掘削調査を7/29-8/25にかけて実施した.ここでは,本調査の結果の概要について紹介する.

トレンチ掘削調査

図1.トレンチ掘削位置と2011年4月11日の福島県浜通りの地震(M7.0)に伴う地表地震断層の分布.赤実線は4/12-14の調査で見出した分布を,赤点線は主に地形から推定される通過位置を,緑色の丸印は地表地震断層を確認した地点を示す.オレンジ色の線は踏査ルートを示す.また,黒線は中田・今泉(2002)による推定活断層の位置を示す.基図は国土地理院発行の1/25000地形図を用いた.

 トレンチ掘削調査は,福島県いわき市田人町黒田一ノ倉と同塩ノ平の2箇所にて実施した(図1).このうち,塩ノ平地区では,3条に分岐して出現した地表地震断層のうち,最も西側のトレース,すなわち阿武隈山地東麓の緩斜面上に細長く延びる沖積低地面を変位させる崖地形において,断層の走向と直交方向に深さ2mのトレンチを1本掘削した(写真1).塩ノ平トレンチの壁面には,新第三系ないしは古第三系と推定される固結した砂礫層(III層)およびこれを不整合に覆う河成堆積物と,これらの地層を切断・変位させる高角の正断層が地表地震断層の直下に出現した(図2). III層を覆う河成堆積物は,I層およびII層に区分され,これらは不整合関係にあり,I層は地表面(谷底面)を直接構成する地層である.III層は花崗岩の巨礫を多く含むことから,御斎所変成岩の分布域に限定される現在の水系と異なり,阿武隈花崗岩の分布域から流下していた水系によって運搬されたものと考えられる.これに対してI・II層はいずれも御斎所変成岩起源の砂礫を主体としており,現在とほぼ同じ水系によって運搬されたものと見られる.なお,埋土にはプラスチック片が含まれており,非常に新しいものである.

図2.塩ノ平トレンチ南面の解釈図.赤線は断層および亀裂を示す.

写真1 塩ノ平トレンチの掘削風景.

 断層はIII層およびI層下部の砂礫層を,北側を隆起させるように食い違わせている.断層の走向・傾斜は北面でN31°W・82°S, 南面でN39°W・90°Wである.また,断層によって剪断を受けた草根の変形から,断層すべりは若干の左横ずれ成分を伴うことがわかる.このような断層のすべりは,地表地震断層から推察される変位のセンスと整合的である.この断層は砂質シルトおよび耕作土であるI層上部では複雑な形態を示す.すなわち,撓曲崖の基部に延びるスラストや,撓曲崖面頂部の小崖地形に延びる亀裂・正断層構造が認められるが,これらは複雑に分岐・雁行しながら地表まで追跡できる.I層の上下方向の落差は,今回の地表地震断層から見積もられる上下方向の落差(約0.7 m)とほぼ等しく,今回の地震に伴う断層運動のみを経験している.これに対して,I層に不整合に覆われるII層の分布高度は,断層の北側が南側に対して1.5m程度高くなっており,これは今回の地震にともなう上下変位量の約2倍である.このことは,II層が今回の地震の前に少なくとも1回の断層変位を受けていることを示唆する.I層の層厚が断層の下盤側で薄くなっていることは,II層が構成していた地表面にできた地形的起伏が,一部は浸食されつつもI層の堆積によって埋積されたことを示唆する.II層はかなりの部分が浸食を受けており,断層近傍ではその分布が途切れるため,断層変位とその上位の地層との切り合いの関係といった直接的な古地震イベントの証拠には欠けるが,上記の様な地層の分布と構造は,今回の地震以前の断層運動と古地震活動を示唆するものと見られる.

今後の予定

 今後は,採取された年代測定試料を用いた放射性炭素同位体年代測定を行い,トレンチに出現した堆積物の層序を確立し,塩ノ平断層の過去の活動時期の解明に努める予定である.

 謝辞 帝京平成大学の伊藤谷生教授・静岡大学の狩野謙一教授には断層岩について,首都大学東京の鈴木毅彦教授には火山灰について貴重なご意見を賜った.名古屋大学環境学研究科の丸山陽央氏・東京大学地震研究所の中山貴隆氏・東北大学理学部の高松直史氏には現地調査に際してご協力を頂いた.また,掘削作業は中央開発株式会社にご担当頂いた.ここに記して感謝いたします.

 引用文献:

石山達也・佐藤比呂志・杉戸信彦・越後智雄・伊藤谷生・加藤直子・今泉俊文(2011)2011 年4 月11 日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層とそのテクトニックな背景,日本地球惑星科学連合2011年大会,MIS036-P105.

活断層研究会編 (1991) 新編日本の活断層.東京大学出版会,437pp.

気象庁(2011a)「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」について(第15報),http://www.jma.go.jp/jma/press/1103/13b/201103131255.html,2011年9月7日確認.

気象庁(2011b)「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」について(第35報),http://www.jma.go.jp/jma/press/1104/11b/201104111820.html,2011年9月7日確認.

中田 高・今泉俊文編 (2002),活断層詳細デジタルマップ,東京大学出版会,DVD-ROM 2枚・付図1葉,60p.

杉戸信彦・石山達也・越後智雄・佐藤比呂志・加藤直子・今泉俊文(2011)2011 年4 月11 日の福島県浜通りの地震に伴う地表地震断層とその変位量分布(速

報),日本地球惑星科学連合2011年大会,MIS036-P106.



第2報(4月20日掲載)

石山達也・佐藤比呂志(地震研)・伊藤谷生(帝京平成大学)・杉戸信彦(名古屋大学地震火山防災研究センター)・越後智雄(地域地盤環境研究所)・加藤直子(地震研)・今泉俊文(東北大)

  • 2011年4月11日の福島県浜通りの地震にともなう地表地震断層

2011年4月11日の福島県浜通りの地震(M7.0)に伴う地表地震断層の分布.赤実線は4/12-14の調査で見出した地表地震断層の分布を,赤点線は主に地形から推定される地表地震断層の位置を,緑色の丸印は地表地震断層を確認した地点を示す.オレンジ色の線は踏査ルートを示す.また,黒線は中田・今泉(2002)による推定活断層の位置を示す.基図は国土地理院発行の1/25000地形図を用いた.

地震発生翌日の4月12日から15日にかけて,震源域を中心に地表地震断層の有無を確認するために調査を行った.その結果,いわき市遠野町綱木から同田人(たびと)町旅人(たびうど)にかけての約11 kmの区間で,高角西傾斜ないしほぼ垂直の正断層である地表地震断層が断続的に分布することを確認した(図1).変動崖の走向は一般にN10ºW前後を示し,上下変位量は西側低下で約0.8-1.8 m,右横ずれ変位量が30 cm内外である.また,今回確認した断層の分布と走向から判断して,地表地震断層は右雁行を呈すると考えられる.

地表地震断層は,活断層研究会(1991)などによって示された複数の断層線のうち,最も西側の断層に沿って出現した(図1および写真).一方,東側の断層線,すなわちいわゆる地質学的に定義された井戸沢断層(渡辺・佐藤,1935)を横断する複数の路線を踏査したが,地表地震断層は確認されなかった.

  • 塩ノ平(しおのひら)断層(仮称)の提案

活断層研究会(1991)は,上記の通り井戸沢断層(渡辺・佐藤,1935)を含む複数の断層線について一括して「井戸沢断層」を定義している.一方,今回の地震断層に沿って分布する断層は,御斎所変成岩類を原岩とする断層ガウジおよびカタクレーサイトを伴うほぼ垂直な断層面を有し,井戸沢断層(渡辺・佐藤,1935)とは明らかに別個の構造である.したがって,本稿では活断層研究会(1991)によって図示された「井戸沢断層」のうち最も西側に位置する正断層を,今回最大の上下変位量が観察されたいわき市田人町塩ノ平を模式地として「塩ノ平断層」と仮称する.久保ほか(2007)によれば,塩ノ平断層は今回地表地震断層が出現した範囲よりも南に延びる.従って,本稿の定義に従えば,今回の地震に伴う地表地震断層は,塩ノ平断層の一部に沿って出現したことになる.

Loc 7. いわき市遠野町綱木,谷底面の水田を切る地表地震断層.北北西を望む.崖面頂部に開口亀裂が発達する.撓曲崖の崖線で示されるヒンジと開口亀裂はともに右 雁行しながら,写真手前の市道より写真奥の斜面まで延びる.写真手前の路面における崖高は約50 cm. また水路のオフセットから測定した水平伸張量は6 cm.

Loc 7. いわき市遠野町綱木,谷底面の水田を切る地表地震断層.北北西を望む.ほぼ垂直な断層面が開口亀裂に沿って露出する.
















Loc 8. いわき市遠野町綱木,林道の路面を切る地表地震断層.亀裂が著しく雁行する.Loc 8付近の開口亀裂の一般走向はN22Wºであるのに対して,写真中央の開口亀裂の走向はN85ºWと大きく食い違う.崖高は約50 cm.今回確認した地表地震断層の北限に近くにあたる.

Loc 12. いわき市田人町塩ノ平 塩ノ平集落東側の道路を切る地表地震断層.東方を望む.崖高は約1.8 m.断層面の走向はN20ºW,傾斜は70Wº.断層面で観察される条線の姿勢は60ºSと85ºSの二方向あり,上方ほど低角度になる.

Loc 13. いわき市田人町塩ノ平 Loc 12の地表地震断層の北北西延長にあたる.地震断層は右雁行しながら2条に分岐し,水田を切断する.2条の断層がオーバーラップする部分について合算した上下変位量は約2.3 m,左横ずれ変位量は約0.5 m.

Loc 13. いわき市田人町塩ノ平,写真6の北西延長にのびる地表地震断層.道路面の崖高は約1.3 m.

  • 今後の予定

今後は,今回の初期的な調査結果をふまえて,より正確な地表地震断層の位置の把握と地震時変位量の分布などの解明に努める予定である. また,塩ノ平断層の変動地形について,空中写真の判読や地形・地質調査によって検討する予定である.

謝辞 帝京平成大学の佐藤 剛講師および地震研究所の中山俊雄特任研究員には現地調査に際しご協力を賜った.記して感謝いたします.

  • 引用文献:
    • 活断層研究会編 (1991) 新編日本の活断層.東京大学出版会,437pp.
    • 気象庁(2011)「平成23(2011)年東北地方太平洋沖地震」について(第35報),http://www.jma.go.jp/jma/press/1104/11b/201104111820.html
    • 久保和也・柳沢幸夫・山元孝広・中江 訓・高橋 浩・利光誠一・坂野靖行・宮地良典・高橋雅紀・大野哲二・駒澤正夫(2007)20万分の1地質図幅「白河」,産業技術総合研究所地質調査総合センター.
    • 中田 高・今泉俊文編 (2002),活断層詳細デジタルマップ,東京大学出版会,DVD-ROM 2枚・付図1葉,60p.
    • 渡辺久吉・佐藤源郎(1935)7万5千分の1地質図幅「勿来」,地質調査所.

第1報(4月13日掲載)

4月11日17時16分頃に福島県浜通りの深さ約5kmでM7.0(暫定)の地震が発生した.この地震に伴う地表地震断層について,地震発生翌日の12日から現地調査を行い,井戸沢断層として知られる活断層に沿って,地表地震断層を見いだした.

  • 地質学的背景

地表地震断層の分布.赤線は4/12の調査で見出した地表地震断層の分布を,緑色の丸印は写真の位置を示す.また,黒線は中田・今泉(2002)による推定活断層の位置を示す.基図は国土地理院発行の1/25000地形図を用いた.

震源域は,いわき市西部の阿武隈山地であり,阿武隈変成岩類と白亜系の花崗岩類・閃緑岩類が分布し,不整合で前弧堆積物である第三系の堆積物が分布する(久保ほか,2007).先第三系の主要な構造方向は,NNW-SSE方向であり,新第三系の分布を限る断層として,井戸沢断層が記載された(須貝ほか,1957; 三井,1972; 鈴木ほか,2005).活断層研究会(1991)は,変動地形学的な検討によって,主に三条のトレースから構成されるものとして井戸沢断層を記載した,全体としてのトレースの長さは約20kmとなる.南部に位置する断層のみ,町北部と異なり東側低下となる.中田・今泉編(2002)は主として二条のトレースからなる断層を記載しており,主として西側低下の断層とされる.また,活断層研究会(1991)の最南部の断層については活断層とは判断していない.(図はクリックで拡大)

  • 2011年4月11日の福島県浜通りの地震にともなう地表地震断層

地震発生翌日の4月12日,震源域を中心に地表地震断層の有無を確認するために調査を行った.その結果,いわき市遠野町大平から同田人(たびと)町旅人(たびびと)にかけての約6.4 kmの区間で,今回の地震に際して形成されたと思われる新鮮な変動崖が断続的に分布することを確認した.変動崖の走向は一般にN10ºW前後を示し,上下変位量は西側低下で約0.8-1.5 m,右横ずれ変位量が30 cm内外である.いくつかの地点では高角西傾斜ないしはほぼ垂直の断層面が露出する.また一般に崖面頂部に開口亀裂を伴い,崖面を切断する antitheticな正断層を伴う.加えて,圧縮性の構造を殆ど伴わない.このような特徴から,確認した変動崖は西傾斜の正断層の断層運動に伴う地表変状であると考えられる.変動崖はLoc. 1,4,6では谷底部に出現しており,地すべりなどの斜面流動に起因する正断層構造とは考えにくい.したがって,今回確認された変動崖は,震源断層の上方延長で形成された地表地震断層であると判断される. 地表地震断層の分布は,これまでの研究で井戸沢断層として示された断層のうち,最も東側のトレースに沿っているように見える.一方で,最北端のLoc. 6はこのトレースと必ずしも整合的ではない.またLoc. 6の上下変位量が他の地点とほぼ同程度(約1.2 m)であることや余震分布から判断して,さらに北側に地表地震断層が出現している可能性が高い.このように,地表地震断層の分布範囲や既存のマッピングとの関係については,今後検討する必要がある.

Loc1. いわき市田人町旅人 谷底面の水田を切る地表地震断層.南方を望む.崖面頂部に開口亀裂が発達する.崖高は約80cm.

Loc1. いわき市田人町旅人 谷底面の水田を切る地表地震断層.東方を望む.農道および水田の畝から右横ずれ変位(30cm程度)を伴うことがわかる.
















Loc1. いわき市田人町旅人 谷底面の水田を切る地表地震断層.北方を望む.開口亀裂および正断層にともなう撓曲崖の走向が雁行する.

Loc2. いわき市田人町黒田 田人中学校北側の道路を切る地表地震断層.東方を望む.















Loc3. いわき市田人町黒田 田人中学校北側の道路を切る地表地震断層.東方を望む.崖高約1.1 m,右横ずれ変位約30 cm.

Loc4. いわき市田人町黒田 別当川の河床を切断する地表地震断層.北方を望む.河川の上流側が相対的に低下したために湛水している.地表地震断層は別当川を横断し,左岸川の丘陵斜面に連続する.

Loc5. いわき市田人町黒田 林道の道路面を切断する地表地震断層.東方を望む.崖高約1.5 m,右横ずれ変位約50 cm.

Loc6. いわき市遠野町大平 県道(御斎所街道)の道路面を切断する地表地震断層.東方を望む.断層面はほぼ垂直である.崖高約1.3 m,右横ずれ変位約20 cm.





















  • 余震分布と活断層

余震分布は中田・今泉編(2002)の井戸沢断層の西方に多く発生しており,南端はほぼこの断層の断層線の西方延長と一致するが,北方には断層線北端からさらに数kmの領域まで分布している. この地震の発震機構は西南西-東北東方向に張力軸を持つ正断層型で,地殻内の浅い地震である.通例,この地域は地震活動の低調な地域であり,正断層地震活動は,東北太平洋沖地震発生後に活発化した.東北地方に分布する活断層は,そのほとんどが逆断層型であり,正断層型の大規模な地震断層が東北地方で見いだされたのは今回が初めてである.これはM9のきわめて規模の大きなメガスラストの運動に伴って,上盤側で特異な伸張性の応力状態になったものと理解される.

  • 今後の予定

上記の観察結果および課題をふまえて,地表地震断層の出現範囲の全容の把握に努める予定である.

  • 引用文献:
    • 活断層研究会編 (1991) 新編 日本の活断層.東京大学出版会,437pp.
    • 久保和也・柳沢幸夫・山元孝広・中江 訓・高橋 浩・利光誠一・坂野靖行・宮地良典・高橋雅紀・大野哲二・駒澤正夫(2007)20 万分の1地質図幅「白河」,産業技術総合研究所地質調査総合センター.
    • 三井 忍(1972)常磐炭田の地質構造に関する2・3の問題,東北大地古研邦報,73, 87-96.
    • 中田 高・今泉俊文編 (2002),活断層詳細デジタルマップ,東京大学出版会,DVD-ROM 2枚・付図1葉,60p.
    • 須貝貫二・松井 寛・佐藤 茂・喜多川庸二・佐々木実・宮下美智夫・河内英幸 (1957) 常磐炭田地質図ならびに説明書. 日本炭田図I, 地質調査所, 143p.
    • 須藤 斎・柳沢幸夫・小笠原憲四郎(2005)常磐地域及びその周辺の第三系の地質と年代層序地質調査研究報告, 56, 375 – 409.