全国高感度地震計(Hi-net)で記録した揺れの広がり

全国高感度地震計(Hi-net)で記録した揺れの広がり

※ 報道関係の方へ: 動画をご使用になりたい場合は下記からダウンロードしてください.Creditは『東京大学地震研究所』でお願い致します.

Hi-net観測データを用いて、地表の最大加速度(PGA)を求めた(注意:震源域に近い場所では地震計が振り切れており、数値は正しくありません)。震源域に近い岩手県中部から茨城県沖の約500kmの広い範囲では、200cm/s/sを超える強い加速度が観測された。

地動加速度は、糸魚川-静岡構造線を境に西側で急激に弱まっており、この付近の地下で地震波が大きく減衰した可能性がある。(左図をクリックするとアニメーションをご覧いただけます)

(古村・武村による)

全国約800カ所に設置されている防災科学技術研究所の高感度地震観測網(Hi-net)データを用いて、東北太平洋沖の地震の揺れの広がる様子を可視化した。地面の揺れの強さを、オレンジ色の濃さと高さで強調してビジュアルに表現している。

地震による強い揺れは、地震発生から約35秒後に牡鹿半島に到着し、40秒後には気仙沼から仙台へ、50秒後には釜石からいわきを通過して、70秒後には東北日本全域に広がった。













揺れは、約150秒後には名古屋と札幌に到着、ここで東北全域からのデータ伝送が突然途絶えたため、福島・山形・宮城・秋田・岩手県が空白になる。

その後、200秒後には稚内に、そして300秒後には大隅半島に揺れが到達し、日本列島全域が数分以上にわたって長く揺れ続けた。
















いつもはK-NET, KiK-netの強震波形を使って波動伝播アニメを作っていますが、今回は地震の影響により防災科研のデータがまだ公開されておらず、先にHi-netを使って作成しました。(その後,13日19時に再開しました.)

Hi-netデータは防災科研のほか、別回線で地震研と気象庁に配信されています。