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富士山東麓の静岡県小山町上柴怒田で70m程度の掘削調査を行い,富士山最初期からの降下スコリア堆積物採取する.この際,降下スコリアの堆積構造の精密な地質学的観察を行うために,掘削試料が乱されることのない新工法を採用したい.また,掘削試料と地表に露出している堆積物との関係を明らかにするため,掘削地付近でトレンチ調査,地表調査を併せて行う.当該地域は山麓に位置するため,融雪泥流等の影響がなく,富士山最初期からの降下スコリアが堆積しているものと推定される.得られた試料を基に,火山灰の対比,介在する炭化試料の年代測定,岩石学的解析などを行い,富士山10万年間の詳しい活動史・噴火パターンを明らかにするとともに,富士火山のマグマ進化とその機構を明らかにする. なお,掘削調査,トレンチ調査,地表調査には合わせて1ヶ月程度の期間を要する見込みである. これまで,掘削調査は主に山体の構造を明らかにするために,山体斜面で行われることが多かった.本申請で行おうとしているのは,山麓に堆積した降下スコリア堆積物を掘削により,その長期に渡る連続的試料を得ようとするものである.降下スコリアは風下側に拡がり噴出順に重なるため,卓越風の風下側にできる連続露頭では,時系でマグマ組成の変化を知るには好都合の試料が得られる.このような掘削によるテフラ連続試料の採取とその岩石学的検討(メルト包有物等の解析を含む)はマグマシステムの進化を知るためにはきわめて有効かつ効率的な方法であり,同様の試みが,今後国内の他の活火山調査に広く適用される可能性がある.本研究はこのような解析手法を確立する上で重要な先駆け的な試みともなる.また,このような研究を通じて,富士火山の最新の学術的知見・問題点を整理し,将来期待される富士火山の大型プロジェクトで取り組むべき課題を,所内他メンバーとも広く連携し確立することを目指す. |