四つの総合研究グループ

東北地方太平洋沖地震、南海トラフの巨大地震、首都直下地震、桜島火山噴火については、災害科学の発展への貢献や、発生した場合の社会への影響の甚大さを考慮して、総合研究グループを組織して分野横断型の研究を実施しています。

東北地方太平洋沖地震

この地震の発生により広域でひずみが解放されたのと同時に、周辺域ではひずみが高まった状態にあり地震や火山活動の変化が予想されます。これらについての研究を進めると同時に、東北地方の過去の巨大地震に関する研究、この地震が引き起こした災害の発生機構、地震動や津波の即時予測なども含めた巨大地震による災害軽減に役立つ研究などを行っています。

  • グループリーダー:松澤 暢(東北大学大学院理学研究科)

首都直下地震

首都直下地震は社会に極めて大きな影響を及ぼす可能性がありますが、想定される震源はプレート境界、沈み込むプレートの内部、平野部の活断層など多様であり、その発生予測は特に難しいと考えられています。地殻構造やこれまでに発生した地震を詳しく調べることなどにより震源像を明確にし、災害軽減に役立てることを目指しています。

  • グループリーダー:酒井 慎一(東京大学地震研究所)

南海トラフの巨大地震

海底観測装置による「プレート境界地震の震源域」の解明海底観測装置による「プレート境界地震の震源域」の解明

巨大地震が繰り返し発生してきた南海トラフ域では次の巨大地震の発生が近づいています。過去に発生した南海トラフの巨大地震や現在の地震活動や地殻変動を調べることにより、次の巨大地震の震源や、地震動や津波の予測をより良いものとするための研究を行っています。さらに、これらの研究に基づいて被害予測を高度化するための研究も進めています。

  • グループリーダー:澁谷 拓郎(京都大学防災研究所)

桜島火山噴火

桜島火山のマグマ供給系の模式図桜島火山のマグマ供給系の模式図

桜島火山では活発な活動が続いているのと同時に、地殻変動観測からマグマが蓄積されていることが分かっていて、規模が大きい噴火が懸念されています。過去の大規模噴火の前駆過程の解明や現在の活動などから、噴火予測実現のための研究を行っています。また、火山灰の予測や、過去の噴火推移を参考にした訓練など、災害軽減に向けた取り組みも進めています。

  • グループリーダー:井口 正人(京都大学防災研究所)