最近の成果

ここでは、最近の研究成果をイラストとともに紹介しています。 より詳しい研究成果や報告書、過去の計画の成果などはこちらをご覧下さい

令和元年度の成果

※現在作成中です。

平成30年度の成果

これらの図は下記の報告書に掲載されているものです。

日記史料に基づく有感地震の記録日数の推移
日記史料には地震の被害だけでなく,日々の有感地震についても詳細に記録されている。西南日本で記された複数の日記史料からは,安政元年(1854年)11月5日の南海地震の本震以降,頻発する有感地震を記録した日数の推移が分かる。グラフは,安政元年(1854年)11月から安政2年(1855年)12月末までの期間について,有感地震の記録日数を月ごとに示したものである。グラフより,西南日本では安政2年9月から再び有感地震が増加した状況が分かる。

1454年享徳地震の復元
炭素年代測定から1454年享徳地震によるものと判断された津波堆積物の検出位置と,復元された当時の海岸線を基に行った浸水シミュレーションによって,享徳地震の規模がモーメントマグニチュード(Mw)8.4以上であったと推測された。

南海トラフ沿いプレート境界の滑りと固着
(a)GPS-音響結合方式による海底地殻変動観測によって得られた海底の変動速度から推定された,南海トラフ沿いプレート境界の滑り欠損速度分布。滑り欠損速度の大小はプレート間の固着の強弱を反映していると考えられることから,南海トラフ想定震源域内において固着分布に不均質があることが示された。
(b)海底における坑内間隙水圧観測によって得られたひずみ変化から推定された,熊野灘のトラフ軸近傍でくり返し起こる「ゆっくり滑り」。間隙水圧変化から得られたひずみの変化の大きさと,その変化がプレート境界での滑りによって生じたと仮定して推定された各イベントの滑り量を示した。2016年4月1日に発生した三重県南東沖の地震(M6.5)後に浅部超低周波地震が続発したが,これに連動して大きな滑りが観測されている。

プレート境界の滑り速度変化と地震発生との比較
北海道?関東地方の沖合のプレート境界断層の広い範囲で,プレート境界の滑り速度が概ね周期的に変化していることを小繰り返し地震及び地殻変動データから発見した。滑り速度が普段よりも速くなると,プレート境界の固着が緩むため大きな地震が起こりやすくなる傾向があることが示された。(a)解析に用いた相似地震の分布(赤色丸)。赤色の矩形(領域A)は,(b)図の領域に対応する。白線は2011年東北地方太平洋沖地震の滑り域,黒線は他の大地震の滑り域を示す。(b)繰り返し地震データから推定した三陸沖西部でのプレート境界での滑り速度(灰色)と,GNSSデータから推定した地表面の短縮速度(紺色)の時系列。上部のパネルはマグニチュード5以上の地震活動を示し,緑はそのうち,プレート境界の滑り速度が増加している際に発生したものを表す。

2011年東北地方太平洋沖地震後の地殻変動とその原因を説明するモデル
2011年東北地方太平洋沖地震後の地殻変動とその変動を説明するモデル。左図:陸上GNSSと海底GNSS-Aによって測定された2012年から2016年の間の地殻変動速度。
矢印は水平変動速度で,陸上のコンター(青と赤の色)は上下変動速度。宮城県沖では陸とは逆向きの西向きの変動が卓越している。陸上では奥羽山脈を境に東西で上下変動が逆転している。右図:地殻変動のパターンを説明する地下構造のモデル。宮城県沖の海陸の逆向きの変動は,海洋プレート下のマントルの粘性的な振る舞いによって説明される。地震発生時に海溝軸近くの海洋プレートが大きく西向きに動くことにより,特に海溝軸外側(海側)の海洋プレート直下のマントルにも西向きの流れが生じる。この流れにより,地震後も,海溝軸近くの海洋プレートは西向きに動き続ける。陸側のプレートは,地震時に東向きに動くため,陸側のプレート直下のマントルにも東向きの流れが生じ,地震後も陸側のプレートは東向きに動き続ける。

2016年熊本地震:複雑な地震活動
(a)左図:熊本地震に伴う干渉SAR解析による地表変動の様子。右図:干渉SAR解析により提案された熊本地震の震源断層モデル。地表変動を説明するために少なくとも3枚の異なる断層面に沿う断層運動を仮定する必要である。(b)前震(2016年4月14日M6.5)から本震(2016年4月16日M7.3)に至る地震活動の震源分布の推移。震央分布(上)と代表的な深さ断面図(下)に,累積の震源分布を示す。丸印の色と大きさは,地震の深さとマグニチュードをそれぞれ表す。

多項目観測で見た火山噴火の推移
九州の阿蘇山で,地殻変動,火口温度,放熱量,地震などの多項目観測を実施したところ,噴火の推移に応じて多くの観測項目のデータが明瞭に変化し,火山活動の活発化を反映している様子が捉えられた。グラフ中の赤矢印は2014 年11 月のマグマ噴火前に見られた各観測量の上昇を表す。青矢印は2015 年9月に噴火警戒レベルを2から3に引き上げる直前の活動度の変化を表す。青灰色の縦線は火口周辺に影響を及ぼした比較的規模の大きい噴火を表す。一方,紫色の縦線が示す2016 年4月の熊本地震の際はデータに変化の見られた観測項目は限定的であった。

桜島のマグマ供給系と噴火事象の分岐条件
上図は桜島のマグマ供給系,下図は桜島において経験的に得られた,1日当たりのマグマ貫入量に基づく噴火事象の分岐条件を示す。既に火道が存在している場合は,貫入量が増加するにつれてブルカノ式,溶岩噴泉,溶岩流出へと噴火様式が変化する。新たに火道を作る場合は,106m3/日程度であれば噴火しないが,108m3/日と推定された大正噴火では全島避難となるような大規模噴火となった。

東日本大震災被災地の過去100年の土地利用変化
1896年明治三陸地震,1933年昭和三陸地震,1960年チリ地震津波,2011年東北地方太平洋沖地震において,陸前高田と石巻を比較すると,4つのどの地震・津波においても,陸前高田は広く津波浸水が及んだ。一方,石巻は前3つにおいては,浸水はほとんど確認されないか,あったとしても狭い範囲に留まっていた。土地利用の変化を見ると,陸前高田においては,津波浸水域を避ける形で都市的利用が広がったが,1980年代におけるこの地方の土地利用拡大期において,過去の津波浸水域に一部市街地が広がっている。石巻においては,土地利用拡大期以前から,都市的利用が海岸線付近に広く広がっており,その傾向は土地利用拡大期にさらに加速し,東北地方太平洋沖地震による都市的利用部分に対する津波浸水域が広範囲に及んだ。

2011年東北地方太平洋沖地震の強震観測データ同化に基づく長周期地震動の予測実験
(a)2011年東北地方太平洋沖地震の発震時から100,120,140,160秒後時点の同化波動場(加速度の南北成分)のスナップショット。(b)それぞれの時点の同化波動場(左)を用いて計算された,発震時から220秒後の予測波動場。(c)それぞれの時点の同化波動場を用いて計算された,新宿(TKY007)における予測波形と実際に観測された波形(速度の南北成分)。(d)予測波形と観測波形の速度応答スペクトル(水平成分)の比較。

研究分野横断型のリスク評価手法の構築
南海トラフ地震が発生した際の高知県における人的被害(棟死亡率:木造2階建て1棟当たりの死亡率)について,震源断層,地震動予測式,地盤増幅率,建物被害率曲線,建物被害による損失額及び人的被害の各モデルの不確実性を考慮して試算した。平均値は高知平野で特に高く,室戸岬と足摺岬及び高知平野と室戸岬の間の沿岸部で高い。また,棟死亡率のばらつき(予測の幅)も同じ地域で高くなると推定された。

桜島火山における避難シミュレーション
最近100年間我が国において発生していないような大規模噴火では,避難の途中において大量の降灰があれば避難を続けられなくなる可能性がある。事前分析として火山灰の堆積厚が30㎝以上となる地域に住む80万人の住民全員が避難する時間の予測シミュレーションを行い,50時間となる結果を得た。次に避難意向のアンケート調査を行い,その結果と風向を反映したシミュレーションから,避難する住民の数と避難勧告が発表されてからの避難時間の見積もりは大きく変わることが確かめられた。これは,風向きによって避難すべき地域が絞られ,その地域が避難勧告等で発表されるために避難人数が絞られることと,避難準備情報があれば準備を始められることから避難勧告発表時には素早く避難できることが理由であると考えられる。このようなシミュレーションは,実効性の高い避難計画の作成に役立つ。

2018年大阪府北部の地震の震源断層モデル
(a)大阪府北部の地震(2018年6月18日,M6.1)の震央と,活断層の分布を示す。灰色の点と青色の点は,それぞれ大阪府北部の地震の発生前と発生後の地震活動の分布を表す。上町断層帯と有馬高槻断層帯を赤い太線で示す。(b) 大阪府北部の地震の震源断層モデル。色のついた点は,大阪府北部の地震の余震分布を表しており,色は深さに対応する。逆断層(F1)と横ずれ断層(F2)に対応する面状の分布が確認される。

平成30年北海道胆振東部地震の余震分布と流動化発生個所の地盤断面図
上図:臨時余震観測により高精度に推定された平成30年胆振東部地震の余震分布。余震は深さ10~40km付近に分布している。下図:ボーリング調査で明らかになった液状化に伴う流動化発生個所の地盤断面図。沈降量の大きな部分では含水量の多い特に柔らかい火山灰層が存在していた。

東北地方太平洋沿岸域の沈降メカニズム
(a)東北地方太平洋地震発生前の地表で測定(水準測量)された上下変動速度の平面図。
(b) 中部東北日本を横断する測線(図(a)の直線AA')周辺の上下変動速度を日本海溝からの距離の関数として示す。黒点は水準測量に基づく観測データで,実線と破線は数値シミュレーションによる上下変動速度を表す。線の色は,巨大地震発生後の各経過時間に対応する。
(c)数値シミュレーションの際に仮定した粘性率構造。

日本列島周辺域基本構造モデルの構築
これまでに得られている様々なデータを統合し,日本列島周辺域の基本構造モデルを構築した。左図:地殻構造モデル。地殻とマントルの境界であるモホ面の深さを等深線で表示。中央:フィリピン海プレートの形状モデル。プレート上面の深さを等深線で表示。右図:太平洋プレートの形状モデル。プレート上面の深さを等深線で表示。(深さの単位はいずれもkm。)

噴火事象系統樹の試作(浅間)
火山現象を網羅的に時系列に沿って示す「噴火事象系統樹」の高度化を進めた。多くの火山において系統樹を作成することができるように,作成手順の一般化を進めた。また,過去の噴火事例に基づいて枝分かれの確率を示した。例えば,上図の赤・黄・青の太線はそれぞれ,天明噴火クラスの大規模軽石噴火,中規模噴火,小規模噴火のたどる推移を示す。火山現象の確率が1.0となっているのは,該当する現象が必ず起きることを示している。

地理空間情報の総合的活用による災害に対する社会的脆弱性克服のための基礎研究
地震・火山研究成果を基盤情報とし,GPS情報の取得により集団避難移動過程を記録できるシステムツールを開発した。このツールにより避難行動をふりかえることで,学習効果と行動変容が期待できる。併せて,積雪寒冷地の地域特性を考慮した災害時の避難や,都市開発が地震・津波災害の災害リスクや社会的脆弱性を増大させる可能性を検討するのに役立つ機能を開発・実装し,高精度な避難ナビゲーションシステムを完成させた。


平成29年度の成果

平成28年度の成果

平成27年度の成果

平成26年度の成果

平成25年度の成果

前計画までの成果