大規模シミュレーションモデルに基づくデータ同化のための不確実性評価が可能な新しい4次元変分法の開発

伊藤伸一(1)、長尾大道(1,2)、山中晃徳(3)、塚田祐貴(4)、小山敏幸(4)、加納将行(1)、井上純哉(5)

(1)東京大学地震研究所 (2)東京大学大学院情報理工学系研究科 (3)東京農工大学大学院工学府 (4)名古屋大学大学院工学研究科 (5)東京大学 先端科学技術研究センター

Physical Review E 94, 043307 (2016), https://doi.org/10.1103/PhysRevE.94.043307

 データ同化は、ベイズ統計学に基づいてシミュレーションモデルと観測データを融合する計算技術であり、定量的な将来予測を可能にします。もともとは気象・海洋分野で発展したものでしたが、原理的に広く一般の科学分野に用いることができるため、近年その有用性が認知されはじめており、固体地球科学分野では、地震の理解に重要な断層の摩擦力の推定や、マグマなどの液状物質が冷え固まっていく際の成長過程の推定などに利用されてきています。さらにデータ同化は、ただ推定を行なうだけでなく、その推定値の不確実性を評価することもできます。推定値の不確実性を端的にあらわす身近な例として、台風の進路予測図があげられ、推定値は台風の中心で、そのまわりの予報円が不確実性をあらわします。定量的な将来予測のためには、推定を行なうだけでは不十分で、不確実性の評価を行うことにより、より多くの情報をもたらすことができます。

しかし、従来のデータ同化では、シミュレーションモデルが大規模になるにつれて計算量が極端に増大し、現実的な時間内での不確実性の計算が不可能になるという問題がありました。不確実性の評価を行う際には、その精度を犠牲にする代わりに、さまざまなアドホックな工夫を凝らしていました。そこで私たちは、その問題を解決するために2nd-order adjoint法という計算法を利用し、大規模なシミュレーションモデルに対しても高精度な不確実性の評価を可能にするアルゴリズムを開発しました。図は、提案手法を検証するために、液体中の固体核形成の問題に適用した結果です。提案手法により、固体核の成長速度および成長過程の推定と、その不確実性の評価に成功しています。

私たちの構築した手法は、これまでシミュレーションモデルが大規模であるために難しかった物理現象に対しても定量的な将来予測を可能にします。それによって、例えば、地震波伝播の時空間推定、津波の波高・波速の高精度予測、地球内部の岩石の成長にともなう地殻構造変化の履歴評価・将来予測など、さまざまな分野での応用が期待されます。

図1:液体相中で固体の核が成長するモデルの時間発展。黒色の部分が液体相、黄色の部分が固体相。
図1:液体相中で固体の核が成長するモデルの時間発展。黒色の部分が液体相、黄色の部分が固体相。
図2:提案手法で評価した固体相体積分率の将来予測とその不確実性。
図2:提案手法で評価した固体相体積分率の将来予測とその不確実性。

地震波勾配法による2次元地震波動場の再構築

前田 拓人(1),西田 究(1),高木 涼太(2),小原 一成(1)

(1) 東京大学地震研究所 (2) 東北大学大学院理学研究科

Progress in Earth and Planetary Science, DOI:10.1186/s40645-016-0107-4, 2016

 日本列島には,防災科学技術研究所の高感度地震観測網Hi-netに代表されるほぼ一様かつ稠密な地震観測網が整備されており,地震波形の連続記録が日々蓄積されています.この論文では,稠密な地震波観測記録から地震波の伝播特性をより効果的に抽出するために,地震波勾配法(Seismic Gradiometry)という手法を用いて地震波を空間的に連続な「場」として扱う方法を提案しました.さらに,数値計算に基づく地震波動伝播シミュレーション結果とHi-netの記録解析の両面から,その有効性を検証しました.

地震波勾配法は,地震波振幅の空間方向へのTaylor展開に基づき,周辺観測点の記録から振幅と地震波の空間微分とを推定する手法です.この方法によって,個々の離散的な観測点における地震波形を,空間的に連続な波動場として取り扱うことができるようになります.さらにその空間微分を用いることで,波の伝播方向やスローネスといった情報も抽出することができます.図に,実記録の解析に基づく観測点の上下動変位とそこから推定されたスローネスベクトルの空間分布を示します.推定された連続波動場からは西南日本の長波長のP波と遅れてくる東北日本の短波長の表面波とがはっきりと分離している様子が確認でき,またそれらはスローネスベクトルの違いにも明瞭に現れています.この方法は波長が平均観測点間隔よりも十分に長い場合にのみ適用できます.3次元地震波数値シミュレーションによる仮想地震波形記録に基づく検討から,Hi-netの場合には周期約25秒より長い表面波にもっともよく適用できることが確認されました.さらに論文中では,地震波勾配法の推定結果をもとに,3成分の地震波動場を発散と回転ベクトル成分に分解することも提案しています.この方法によって,複雑な地震波動をP波とS波,あるいはRayleigh波とLove波に分離することができるようになりました.

地震波解析を個々の観測点から波動場としての面に拡張することにより,観測記録からより多くの情報を抽出することができるようになりました.今後この地震波勾配法を活用することによって,複雑な地震波動場や,ひいてはそれをもたらす日本列島下の不均質構造の理解がさらに深まることが期待されます.

 

図: 地震波勾配法によって解析された地震波動場の例.左図に地震発生時からの経過時間130秒における各観測点の周期25-50秒の上下動方向変位を,中央図には地震波勾配法によって再構築された連続波動場を,右図には推定された空間勾配を用いて推定されたスローネスベクトルの空間分布をそれぞれ示す.スローネスベクトルは,矢印の向きが波動伝播方向を,長さがスローネスの大きさをそれぞれ示す.震央位置は右図に星印で示されている.
図:
地震波勾配法によって解析された地震波動場の例.左図に地震発生時からの経過時間130秒における各観測点の周期25-50秒の上下動方向変位を,中央図には地震波勾配法によって再構築された連続波動場を,右図には推定された空間勾配を用いて推定されたスローネスベクトルの空間分布をそれぞれ示す.スローネスベクトルは,矢印の向きが波動伝播方向を,長さがスローネスの大きさをそれぞれ示す.震央位置は右図に星印で示されている.

温故知新

黒川愛香・武尾実・栗田敬

Journal of Geophysical Research doi:10.1002/2015JB012500

 本論文は1986年11月に起きた伊豆大島三原山の噴火の火山性微動の解析結果の報告である.三原山は近年30~40年間隔で噴火を繰り返しており、1986年の噴火はもっとも最近の噴火である.この噴火では中央火口での噴火後2日ほどの休止期間を経て規模の大きな割れ目噴火が生じた.この噴火の拡大は予想外の出来事で、その後1ヶ月に及ぶ全島民避難を余儀なくされ、当時火山学の未熟さが痛感された.30年前の事象ではあるが、その後の地震学・火山学の進展による新たな知識をもとに再度見直しておくことは今後の噴火を考える上で有益であろう.

1986年噴火には幾つかの未解明な謎が残されている.マグマ種の異なる2種の噴火はどのように準備されたのか、地下のマグマ供給系はどうなっていたのか、と言う問題.長期的には電気伝導度の変化など顕著な予兆現象から噴火は予想されていたが、中央火口噴火から割れ目噴火と言う噴火の推移は全く予測されていなかった.これはなぜか? その後多くの研究から火山性微動がマグマの活動の有効な指標である点が明らかにされてきた.本研究では当時のアナログ収録の地震記録のデジタル化を試み、火山性微動の解析を行った.残念ながらデータの劣化が激しく記録の完全なデジタル修復は出来なかったが、ノイズの多いデータながら幾つかの極めて興味深い結果が得られた.まず微動は中央火口噴火に対応した連続型微動と割れ目噴火に対応した断続型微動に分けられた(図1).その震源はAkiらによる震幅法に基づいて決定され、連続微動はほぼ中央火口下に集中したのに対し、断続微動は割れ目噴火と平行な北西−南東の方向に拡がった(図2).興味深い点は中央火口の噴火・連続微動が停止した11月19日から割れ目噴火の開始(11月21日)までの間割れ目噴火の位置で断続微動が発生し続けていた点である.このことは地表で割れ目噴火が生じる少なくとも一日前には割れ目下部へのマグマの供給が始まっていたと解釈できる.更に連続微動の中に埋もれていた断続微動を抽出し、その震源を決めると例えば11月17日の段階で既に割れ目へのマグマ注入が起きていたことが明らかになった(図3).このことは微動の連続的なモニターにより噴火推移の予測は十分に可能であることを示している.

図1:2種類の微動.上:連続微動、下:断続的微動
図1:2種類の微動.上:連続微動、下:断続的微動
図2:微動源の分布.薄い点は地震の震央を表す.
図2:微動源の分布.薄い点は地震の震央を表す.
図3:11月17日に起きた断続的微動の位置.B、Cは割れ目の位置、Aは中央火口の位置
図3:11月17日に起きた断続的微動の位置.B、Cは割れ目の位置、Aは中央火口の位置

2014年チリ北部地震M8.2の発生前に見られた加速的な固着の剥がれ

加藤 愛太郎・福田 淳一(東京大学地震研究所),熊澤 貴雄(統計数理研究所),中川 茂樹(東京大学地震研究所)

Scientific Reports, 6, 24792, doi:10.1038/srep24792.

25 April 2016 (Online publication) http://www.nature.com/articles/srep24792

 2014年4月1日にM8.2の地震が、沈み込むナスカプレートと陸側の南アメリカプレートとの境界で発生しました。この地震の発生前の地震活動を高い精度で推定して地震カタログを新たに構築し、その時空間発展を詳細に分析しました。また、この地震カタログを用いて、プレート境界面上の非地震性すべり(ゆっくりすべり)の指標と考えられる繰り返し地震の抽出を行いました。さらに、この地震カタログに対してEpidemic Type Aftershock-Sequences (ETAS)解析(e.g., Kumazawa and Ogata, 2013)を適用することで、常時地震活動度の時間変化の推定を試みました。常時地震活動度の変化から、非地震的な何らかの変動(例、ゆっくりすべり、流体の移動)が地下で起きたと解釈できます。

2013年夏までは、地震の蓄積個数、非地震性すべりや常時地震活動度は、時間の経過に対して概ね線形で増加していました。非地震性すべりの増加率は約0.6 cm/年と本地域における収束速度約7 cm/年と比べて有意に小さいことがわかります。これは、本地域のプレート境界面の固着率が高い状況であることを意味し、測地学的解析結果とも整合します。

ところが、2013年夏(本震発生の約270日前)から本震発生までの間、地震活動度、非地震性すべり量、常時地震活動度、震源移動現象の発生頻度が間欠的に増加し始め、その増分も時間とともに大きくなりました(図1)。さらに、前震活動が最も活発であった本震発生前の約2週間には、陸上のGNSS観測網によりプレート境界面の固着が緩んだことを示す変位が地表で生じたことが報告されています(e.g., Ruiz et al., 2014)。繰り返し地震により明らかとなった非地震性すべりの存在を考慮すると、地震性すべりと非地震性すべりの両方が本震発生前の間欠的な固着の剥がれに寄与していたことが考えられます(e.g., Kato and Nakagawa, 2014)。

本震の破壊領域の端で固着が加速的、且つ、間欠的に剥がれることで破壊域への応力集中が生じ、本震の発生が促進されたと考えられます。大地震の発生前に固着の剥がれが加速的に進行していた点を明らかにしたことは意義深いものの、固着の剥がれが間欠的に生じるため、大地震が発生する時期を精度良く予測することは非常に困難なこともわかります。

fig.1

【参考文献】

Kato, A., and S. Nakagawa (2014), Multiple slow-slip events during a foreshock sequence of the 2014 Iquique, Chile Mw 8.1 earthquake, Geophys. Res. Lett., 41, doi:10.1002/2014GL061138.

Kumazawa, T., and Y. Ogata (2013), Quantitative description of induced seismic activity before and after the 2011 Tohoku-Oki earthquake by nonstationary ETAS models, J. Geophys. Res., Solid Earth, 118, 6165–6182.

Ruiz, S., M. Metois, A. Fuenzalida, J. Ruiz, F. Leyton, R. Grandin, C. Vigny, R. Madariaga, and J. Campos (2014), Intense foreshocks and a slow slip event preceded the 2014 Iquique Mw 8.1 earthquake, Science, 345, 1165–1169, doi:10.1126/science.1256074.

三次元数値計算による実験試料の幾何形状が波動場に及ぼす影響の検討

吉光奈奈(1,2)・古村孝志(1)・前田拓人(1)

(1) 東京大学地震研究所 (2) スタンフォード大学

Journal of Applied Geophysics 132 (2016) 184–192,
http://dx.doi.org/10.1016/j.jappgeo.2016.07.002

地震発生のメカニズムを調べるために,岩石試料を用いて地震を模擬した破壊実験や摩擦実験がおこなわれています.外からは直接見えない試料内部の状態を,試料を破壊することなく調べる手段として,試料を透過させた波の速度や振幅が注目されてきました.実験に使われる試料のサイズは一辺が数センチメートル程度で,試料に入力された波は短い時間の間に何度も反射や変換を繰り返します.複雑な波形全体からより多くの情報を得るには,試料内で波がどのように伝播していくかを把握しておく必要があります.そこで我々は,このような実験を模擬した3次元差分法シミュレーションをおこない,小さな試料の中で波がどのように反射・変換しているかを調べました.

解析の結果,円柱形の試料の表面から入力された実体波が試料内で幾度も反射・変換する様子や,大振幅の表面波が試料の水平・垂直両方向に伝播していく様子が明らかになりました(図1).さらに,数値シミュレーションと実験室で得られた波形を比較したところ,両者はよい一致を見せました(図2).

本研究では,媒質の持つ不均質性と幾何形状の影響とを切り分けて評価するために,均質媒質であるステンレス試料を用いて解析をおこないました.試料の鉛直方向中央に体積力を与え,試料内部を伝播する70マイクロ秒間の波動場を,3次元差分法を用いて計算しました.図1に計算された波動場のスナップショットを示します.震源に力が与えられた直後は,P波,S波の直達波がまっすぐに試料の中を伝播していきます(図1a).この波は震源と反対側の試料表面で反射・変換し,震源の方向へと戻っていきます(図1b).この時,試料の周方向では振幅の大きな表面波が生成していました.さらに時間が経つと,試料の側面,上下端で何度も反射・変換を繰り返した波が入り交じり,波動場は非常に複雑になります(図1c).

試料の上下端と側面での反射・変換の効果を分けて評価するために,モデル媒質の上下端に吸収境界を入れて,同様に数値計算をおこないました.その結果,試料の上下端の角で表面波が生まれ,試料の上下方向に次々と伝播しながら重なり合っていく様子が明らかになりました.水平方向に関して円柱形試料の周境界を伝播する表面波についてはこれまでの研究でも報告例がありましたが,3次元的な幾何形状を数値計算に取り入れた本研究によって,上下方向に伝播する表面波も波動場に大きな影響を与えている可能性が示唆されました.これに加えて,上下端の試料の角があたかも第二の震源であるかのように次々と変換波を生んでいる様子も確認されました.これらの波は,元々の震源から生まれた波とは異なる方向に伝播し,波動場を複雑にしていました.

このように,数値計算によって実験室スケールでの波動場の時間発展を追うことができるようになました.数値計算を通じて,時間変化する媒質の波形後続部に含まれる位相から,試料内部や表面の変化を推定できる可能性が見えてきました.また,数値計算を応用することで,実験前に波動場の広がりを予測し,効率的な観測点配置や試料形状について検討することもできると期待されます.初めに挙げた地震の再現実験以外にも,透過波は,地中から回収したコアの物性や流体の影響を調べるために岩石試料に水やCO2を注入する実験など,様々な場面で試料内部の特性を推定するために利用されています.数値シミュレーションを上手に利用することによって,実験室で得られた波形データの幅広い利用が可能になると期待されます.

Figure1_NY2016
図1.数値シミュレーションによる試料内における波動伝播スナップショット.震源に力が与えられてから (a) 7マイクロ秒, (b) 14マイクロ秒, (c) 28マイクロ秒後の波動場.円筒軸と震源を含む鉛直断面,試料中心を含む水平断面を示す.赤はP波,緑はS波の伝播を表す.(d) 透過波形の一例.
Figure2_NY2016
図2. 震源と同じ水平断面内における,震源からの中心角が60度,90度,120度,150度,180度の位置で得られた 動径方向の速度波形.室内実験から得られた波形を赤色,数値シミュレーションによって得られた波形を黒色で表す.(a) 200 – 400 kHz,(b) 400 – 800 kHzのバンドパスフィルタを適用した波形.

地震波伝播のアニメーション【画像クリックで動画再生】
円柱形試料ないの3次元波動伝播シミュレーションの結果.

(Movie1) 試料中心を含む水平断面.

(Movie2) 試料中心と震源を含む鉛直断面.

 

2016年熊本地震の本震発生前に見られた前震域の拡大

加藤 愛太郎・福田 淳一・中川 茂樹・小原 一成(東京大学地震研究所)

Geophysical Research Letters, doi: 10.1002/2016GL070079.

18 July 2016 (Online publication) http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/2016GL070079/full

 2016年熊本地震の前震や本震に伴って発生した一連の地震活動の震源カタログを高い精度で推定し、その時空間発展を詳細に分析しました(図1)。その結果、4月14日の前震(モーメント・マグニチュード(Mw)6.2)発生以降、地震発生域が時間の経過とともに徐々に拡大する様子を捉えました(図2)。前震域の拡大は、断層の走向方向に加えて傾斜方向(浅い・深い)にも起きており、4月16日に発生した本震(Mw 7.0)の破壊開始点へ向かう動きも見られました。前震域の拡大は、前震(Mw 6.2)がきっかけとなって生じたゆっくりすべり(余効すべり)の伝播によるものと考えられます。

実際、前震発生域の近傍の地殻変動観測点(国土地理院電子基準点)では、前震発生後から本震が発生するまでの間に、前震時と同じ方向に変位がじわじわと進んだことがわかります(図3a, 3b)。このような変位が観測された場所は極少数であり、すべりの場所や大きさを正確に推定することは困難な状況ですが、前震の断層面上ですべりが生じたというモデルで変位データを説明することができます。この結果は、前震の断層面上においてゆっくりすべりが起きていたという解釈を支持します。前震による応力の載荷に加えてゆっくりすべりにより、本震断層面への応力載荷が進行し、本震の発生が促進されたと考えられます(図3c)。

前震活動中に地震発生域が拡大する現象は、沈み込む海洋プレートと陸側プレートとの境界で発生した2011年東北地方太平洋沖地震や2014年チリ北部地震の発生前に起きていたことが報告されているものの(e.g., Kato et al., 2012; Kato et al., 2016)、内陸の活断層においても、規模は小さいものの類似した現象が起きていたことを明らかにした点はユニークです。地殻内の浅い場所で規模の大きな地震が起きた後に、その余震域が時間の経過とともに拡大する現象は、2004年パークフィールド地震や2007年能登半島地震などの発生後に確認されており、ゆっくりすべり(余効すべり)の伝播が余震域の拡大をコントロールする物理過程の一つとして考えられています(Peng and Zhao, 2009; Kato and Obara, 2014)。

本研究で見られたような、大きな地震発生後に震源域の拡大や余効すべりが起きたからと言って、その周辺でさらに規模の大きな地震(本震)がすぐに発生するかどうかを判断することは、現状ではできません。なぜなら、本震の断層面が最終的に破壊に至るかどうかは、応力載荷の受け手側、つまり、本震の震源域の応力蓄積状況に依存するからです。本震の断層面に応力が十分蓄積されていて臨界状態に近い状況であれば、前震やその余効すべりが引き起こす応力載荷により、短期間で本震の発生が促進されると予想されます。断層の応力蓄積状況を把握する研究をより発展させることが、今後の重要な課題です。

図1. a) 九州地域の地震テクトニクス図6).灰色の○印はM6以上の地震の分布図.b) 地震活動と解析に用いた地震観測点の分布図.青色の点は2016年4月14日以降の熊本地震に関連した活動.灰色の点は熊本地震発生以前に発生した地震活動の位置(2003年以降, 気象庁一元化処理震源).□印は地震観測点、赤線は活断層の地表トレース、赤い△印は活火山の位置.
図1. a) 九州地域の地震テクトニクス図6).灰色の○印はM6以上の地震の分布図.b) 地震活動と解析に用いた地震観測点の分布図.青色の点は2016年4月14日以降の熊本地震に関連した活動.灰色の点は熊本地震発生以前に発生した地震活動の位置(2003年以降, 気象庁一元化処理震源).□印は地震観測点、赤線は活断層の地表トレース、赤い△印は活火山の位置.
図2. 前震の発生以降、本震が発生する直前までの地震活動の時空間発展図(積算図).断層の走向方向に加えて、断層面の傾斜方向(浅い・深い側)にも前震の発生域が拡大する様子がわかります.
図2. 前震の発生以降、本震が発生する直前までの地震活動の時空間発展図(積算図).断層の走向方向に加えて、断層面の傾斜方向(浅い・深い側)にも前震の発生域が拡大する様子がわかります.
図3. a) カラースケール(CFS)は前震(Mw 6.2)による本震断層面(A1-, A2-, B-fault)へ加わったCoulomb応力変化を示します.灰色の○印は前震から本震発生直前までの地震活動の震央位置を示します.黄色の☆印は本震の破壊開始点、灰色の実線は活断層の地表トレース.緑色の矢印は前震から本震発生前までに測地観測点で観測された非定常な変位ベクトル、白色矢印は前震の断層面上にすべり(約25 cm)を仮定して計算された理論変位ベクトル.b) 測地観測点(電子基準点)1071で捉えられた前震発生以降の非定常な変位変化.赤い曲線は、対数関数によるフィットを示します.c) 前震発生以降の地震の移動現象の概念図.黄色い矢印は前震域の拡大方向、黄色い☆印は本震の位置を示します.
図3. a) カラースケール(CFS)は前震(Mw 6.2)による本震断層面(A1-, A2-, B-fault)へ加わったCoulomb応力変化を示します.灰色の○印は前震から本震発生直前までの地震活動の震央位置を示します.黄色の☆印は本震の破壊開始点、灰色の実線は活断層の地表トレース.緑色の矢印は前震から本震発生前までに測地観測点で観測された非定常な変位ベクトル、白色矢印は前震の断層面上にすべり(約25 cm)を仮定して計算された理論変位ベクトル.b) 測地観測点(電子基準点)1071で捉えられた前震発生以降の非定常な変位変化.赤い曲線は、対数関数によるフィットを示します.c) 前震発生以降の地震の移動現象の概念図.黄色い矢印は前震域の拡大方向、黄色い☆印は本震の位置を示します.

【参考文献】

  • Kato, A., K. Obara, T. Igarashi, H. Tsuruoka, S. Nakagawa, and N. Hirata (2012), Propagation of slow slip leading up to the 2011 Mw 9.0 Tohoku-Oki Earthquake, Science, 335, 705–708, doi:10.1126/science.1215141.
  • Kato, A., J. Fukuda, T. Kumazawa, and S. Nakagawa (2016), Accelerated nucleation of the 2014 Iquique, Chile Mw 8.2 Earthquake, Sci. Rep., 6, 24792, doi:10.1038/srep24792.
  • Peng, Z., and P. Zhao (2009), Migration of early aftershocks following the 2004 Parkfield earthquake, Nature Geosci., 2, 877–881, doi:10.1038/ngeo697.
  • Kato, A., and K. Obara (2014), Step-like migration of early aftershocks following the 2007 Mw 6.7 Noto-Hanto earthquake, Japan, Geophys. Res. Lett., 41, 3864–3689, doi:10.1002/2014GL060427.

スロー地震の巨大地震との関連性

小原一成・加藤愛太郎 (東京大学地震研究所)

Science, 353(6296), 253-257. Doi:10.1126/science.aaf1512
14 July 2016 (Online publication) http://science.sciencemag.org/content/353/6296/253

スロー地震は、断層破壊がゆっくりと進行する地震現象であり、強い揺れを伴いません。しかし、スロー地震の多くは沈み込むプレート境界面上で巨大地震発生域に隣接し、巨大地震と共通の低角逆断層型のメカニズムを有することから、巨大地震との関連性が示唆されてきました。スロー地震は、発見されてから20年も経っていませんが、巨大地震に対して以下の3つの役割を担う可能性があることが、これまでの観測研究により明らかになってきました。

①Analog(類似現象):スロー地震の活動様式が巨大地震と類似し、さらに高頻度で発生することから、巨大地震の発生様式を理解するためのヒントを与える可能性。

②Stress meter(応力状態を反映するインジケーター):スロー地震は周囲の応力変化に敏感であるため、巨大地震震源域における応力蓄積の状況に応じて、スロー地震の活動様式が変化する可能性。

③Stress transfer(周囲への応力載荷):スロー地震の発生によってその周囲に応力を載荷することがあるため、隣接した巨大地震震源域における断層破壊を促進する可能性。

今後もスロー地震の活動を継続的にモニタリングし、その活動様式や発生原因の解明を進めることにより、巨大地震の発生過程に関する理解の進展にも繋がることが期待されます。

スライド4-2

2014年長野県北部地震の余震活動によって明らかにされた神城断層のFootwall Shortcut Thrust断層モデル

パナヨトプロス ヤニス、平田 直、橋間 昭徳、岩崎 貴哉、酒井 慎一、佐藤 比呂志 (東大地震研)

Tectonophysics 679, 15-28,  doi:10.1016/j.tecto.2016.04.019, 2016

2014年11月22日、長野県北部を震源とするマグニチュード6.7(MJMA6.7)の地震が発生した。この地震の余震域の西側には、糸魚川-静岡構造線の一部である神城断層の北部区間が位置しており、地表で確認されている活断層との関係を明らかにすることは,活断層の活動評価を行うにあたって重要である。そこで、震源域とその周辺に位置する41ヶ所の定常点のデータを用いて、2014年長野県北部の地震の前震、本震、余震の震源を詳細に調べて、震源断層の形状把握を試みた。用いたデータは、2014年11月18日から11月30日までの期間に観測された2,118個の地震であり、3次元速度構造(Panayotopoulos et al., 2014)を用いてDouble differential法によって震源を決めた(図1)。得られた震源分布から震源断層を推定した。震源断層の浅部は神城断層の地表トレースと一致し、南東方向に30°~45°で傾斜する。一方、震源断層の深部は小谷-中山断層の深部と一致し、南東方向に50°~65°で傾斜する。神城断層は小谷-中山断層から深部で分岐したFootwall Shortcut Thrustとして 更新世に形成されたと考えられる。断層の中央部では、地震時の滑りが大きく余震活動が少ない。一方、断層北部では余震活動が活発で、地表変位が少ないため、地震時の滑りが少ないと考えられる。本研究で提案した断層モデルを使用して半無限質弾性体モデルを用いて地表変位を求めたところ、得られた地表変位分布はInSARによって観測された地表変位分布と調和的な分布が得られた(図2)。

図:断層モデルと地殻変動と地表地質の比較。赤線:神城断層地表トレース。青線:小谷中山断層地表トレース。A)DD法によって再決定された震源(赤い立方)分布から得られた断層モデル。黒多角形:震源断層。水色多角形:最大滑り域。水色網は震源断層面に沿って余震活動が少ない領域。青多角形:小谷中山断層の浅い部分(0~4km)。B)神城断層に沿って地形と地質図。C) 国土地理院の解析による干渉SAR図(原初データ所有:JAXA)
図:断層モデルと地殻変動と地表地質の比較。赤線:神城断層地表トレース。青線:小谷中山断層地表トレース。A)DD法によって再決定された震源(赤い立方)分布から得られた断層モデル。黒多角形:震源断層。水色多角形:最大滑り域。水色網は震源断層面に沿って余震活動が少ない領域。青多角形:小谷中山断層の浅い部分(0~4km)。B)神城断層に沿って地形と地質図。C) 国土地理院の解析による干渉SAR図(原初データ所有:JAXA)
図2:本研究の震源断層モデルを用いた地表変位。A) 最大滑り域に平均滑り1.37mを仮定した計算B ) 国土地理院の解析による干渉SAR図(原初データ所有:JAXA)
図2:本研究の震源断層モデルを用いた地表変位。A) 最大滑り域に平均滑り1.37mを仮定した計算B ) 国土地理院の解析による干渉SAR図(原初データ所有:JAXA)

地震波エンベロープ及びその偏微分係数を計算するための摂動モンテカルロ法

地震波エンベロープ及びその偏微分係数を計算するための摂動モンテカルロ法

竹内 希(東大地震研)

Journal of Geophysical Research, Solid Earth, 121, doi:10.1002/2015JB012661

地震波形記録には散乱波と呼ばれる複雑な波が含まれています.直達波が震源から観測点まで寄り道をせずに到達する波であるのに対し,散乱波は途中で遠回りしながら観測点に到達した波です.散乱波が遠回りする理由は,地球の中に不均質があるからです.地球の不均質が地震波の行く手を阻む障害物となり,地震波が方向転換しているのです.逆の言い方をすれば,散乱波を上手に解析すれば,地球のどこにどれぐらいの不均質があるのかが調べられることになります.原理自体は以前から指摘されていましたが,解析手法が確立されておらず,あまりデータ解析が進んでいないというのが実状です.

この研究では,散乱波の波形(エンベロープ波形)とシミュレーション波形を直接比較することにより,系統的に不均質特性分布を推定する手法を提案しました.いわゆる「波形インバージョン」と呼ばれる手法の一種であり,波形データに含まれる情報をすべて活用する究極の手法と考えられています.計算時間がかかることが問題ですが,効率的な計算手法として,新たな「摂動モンテカルロ法」を提案しました.1回の理論波形計算と同定度の計算時間で,波形インバージョンが実施できるようになりました.

地震研究所には魅力的な観測データがたくさんあります.太平洋に展開する海底地震計ネットワークはその一つです (http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/yesman/index_j.html).今後これらのデータ解析を進めることによって,典型的な海洋プレートにはどの程度の不均質があるかとか,アセノスフェアはどの程度地震波を減衰させているかなど,地球の基本的な描像を明らかにしてゆきたいと考えています.

図: 地震波の種類(左)とその成因(右).地震波には観測点毎に同じような波形をしているもの(直達波)と全く異なる波形をしているもの(散乱波)がある.散乱波は地球の中の不均質によって波の伝播が曲げられることにより生ずる.
図: 地震波の種類(左)とその成因(右).地震波には観測点毎に同じような波形をしているもの(直達波)と全く異なる波形をしているもの(散乱波)がある.散乱波は地球の中の不均質によって波の伝播が曲げられることにより生ずる.

高周波数地震動により制約された2015年5月30日に 小笠原諸島西方沖で発生した深発地震(Mw 7.9)の発生位置

Geophysical Research Letters, 43, 4297-4302, doi:10.1002/2016GL068437

高周波数地震動により制約された2015年5月30日に
小笠原諸島西方沖で発生した深発地震(Mw 7.9)の発生位置

武村俊介1,2・前田拓人1・古村孝志1・小原一成11東京大学地震研究所, 2防災科学技術研究所)

2015年5月30日に小笠原諸島西方沖を震源とするMw 7.9の深発地震が発生し(図1a,赤い震源球),震央から遠く離れた日本全国の広い範囲に大きな揺れが伝わりました.震源の深さは680 kmと同地域でこれまでに発生した深発地震の震源(図1a,灰色丸)よりも100 km以上深く,660 km不連続面付近でした.深発地震の発生原因はまだ十分に解明されていませんが,この地震は通常の深発地震よりも深い位置で起こっており,過去の観測記録でも例がないものでした.震源の深さや既往研究による震源域の地下構造を考慮すると,沈み込む太平洋プレートの最下部,上部マントルの最下部,または下部マントル内のいずれかで地震が発生したと考えられます.この地震の発生位置を詳細に調べることで,沈み込む太平洋スラブや660 km不連続面などの不均質構造および深発地震の発生メカニズムの解明につながると期待されます.本研究では,日本列島に展開された地震観測網(防災科学技術研究所F-netおよびHi-net)の観測波形記録と地震動シミュレーションで得られた高周波数P波の波形の包絡形状(エンベロープ)に着目した解析を行い,この地震の発生位置を拘束することに成功しました.

図1b-dに小笠原諸島西方沖で発生した深発地震において太平洋沿岸のF-net観測点で得られた高周波数(1-8 Hz)の上下動成分のP波部分を示します.地球が均質な構造をしていれば,P波の波形はその到着直後にだけ大きな振幅をもつ単純なパルス状のエンベロープとなります.実際には,沈み込むプレート内で地震が発生した場合,プレート内の不均質構造による最大振幅の遅れ(ピーク遅延)が発生し,特に太平洋沿岸で観測される1 Hz以上の高周波数成分において,そのエンベロープが紡錘形となることが知られています(例えば,Furumura and Kennett, 2005).しかし,今回の小笠原諸島西方沖の地震(図1b)ではP波初動直後に大きな振幅が現れる単純なもので,紡錘形のP波エンベロープとなっていません.この特徴は同じ位置で発生したMw 5.6の余震(図1c)においてさらに顕著であり,P波到来直後に最大振幅を迎えるパルス状のP波エンベロープとなっています.また,パルス状のP波は関東から北海道にかけての太平洋沿岸をおおよそ12.2 km/sの速い見かけ速度で伝わりました.一方で,震央位置の近い深さ460 kmで発生した地震(図1d)では,2-5 秒程度のピーク遅延とそれにともなう紡錘形のP波エンベロープがはっきりと認められます.これらの波形エンベロープの違いから,680 kmで発生した地震のP波は太平洋プレート内を通ってきていない,ということが強く示唆されます.

観測された小笠原諸島西方沖で発生する深発地震の高周波数P波エンベロープ形状の成因を理解するため,図1aの赤線に沿って震源から東北日本・北海道までの太平洋プレート構造を数値モデル化し,さまざまな震源位置を仮定した2次元の地震動シミュレーションを行いました(図2).プレート上端付近または中央部に震源を仮定した場合(図2a, b),プレート内の不均質構造により地震波が閉じ込められ,顕著な後続波をともなった紡錘形のP波エンベロープが得られます.この結果は,400-500 kmで発生する通常の深発地震の観測波形の特徴をよく説明していますが,680 kmで発生した今回の地震の特徴をうまく説明できません.一方で,沈み込む太平洋プレートの下端に震源を仮定した場合,680 kmの地震で観測された速いみかけ速度(約12.2 km/s)で伝わるパルス状のP波エンベロープを再現することに成功しました.

このように,観測波形とシミュレーションによる詳細な検討から,2015年5月30日に小笠原諸島西方沖で深発地震は沈み込むプレートの下端で発生したことを明らかにしました。プレートの下端で発生したため,震源より輻射されたP波は下部マントルを主に伝播し,スラブ内の不均質構造の影響をあまり受けないまま単純な波形形状が保持されたものと考えられます.今回の一連の検討から,高周波数地震動を用いることで,相対的な深発地震の発生位置に制約を与えることできることも新たにわかりました.今後,高周波数地震動をより積極的に用いた沈み込むプレートと深発地震に関する研究がさらに進むことが期待されます.

図1. (a)観測点と震央の分布図,(b)2015年5月30日小笠原諸島西方沖で発生したMw 7.8の地震(地図中赤印)のP波波形,(c)2015年6月3日に発生した余震(Mw 5.6)のP波波形,(c)2010年11月30日に深さ460 kmで発生したMw 6.7の地震(地図中黒印)のP波波形.地震波形はいずれも上下動成分の速度波形に1-8 Hzのバンドパスフィルターを適用したものである.(b-d)の水色線はそれぞれの地震波形の包絡形状を示している.
図1. (a)観測点と震央の分布図,(b)2015年5月30日小笠原諸島西方沖で発生したMw 7.8の地震(地図中赤印)のP波波形,(c)2015年6月3日に発生した余震(Mw 5.6)のP波波形,(c)2010年11月30日に深さ460 kmで発生したMw 6.7の地震(地図中黒印)のP波波形.地震波形はいずれも上下動成分の速度波形に1-8 Hzのバンドパスフィルターを適用したものである.(b-d)の水色線はそれぞれの地震波形の包絡形状を示している.
 図2. シミュレーションからえられた地震波伝播のスナップショットと上下動成分の波形ペーストアップ.(a)深さ530 km,(b)深さ610 km,および(c)深さ680 kmの地震における計算波形と地震発生から60 s後の地震波伝播スナップショット.P波およびS波の波動伝播をそれぞれ赤色と緑色で,震源の位置を黄色い星で表している.計算波形についても1-8 Hzのバンドパスフィルターを適用したものである.
図2. シミュレーションからえられた地震波伝播のスナップショットと上下動成分の波形ペーストアップ.(a)深さ530 km,(b)深さ610 km,および(c)深さ680 kmの地震における計算波形と地震発生から60 s後の地震波伝播スナップショット.P波およびS波の波動伝播をそれぞれ赤色と緑色で,震源の位置を黄色い星で表している.計算波形についても1-8 Hzのバンドパスフィルターを適用したものである.

深さ680 kmの地震を仮定したシミュレーションによる地震波伝播スナップショット

謝辞 防災科学技術研究所のHi-net/F-netの波形データとF-netのMT解,気象庁の一元化震源を使用しました.また,海洋開発研究機構の地球シミュレータを使用しました.記して感謝いたします.図1a中の海底地形にはETOPO1 (Amante and Eakins, 2009),また地図と波形の描画にはGMT(Wessel and Smith, 1998)を使用しました。