東海地震は、現在の地震予知科学のレベルからは、「いつ来てもおかしくない」と言わざるを得ない地震です。駿河湾から四国沖にかけてはマグニチュード8クラスの地震が100から150年おきに発生しています。その中で、地震の起きる場所(震源域)はおおむね3カ所であることが分かっていて、それを東から順に「東海地震の震源域」「東南海地震の震源域」「南海地震の震源域」と呼ぶことにします。
東海地震の震源域は駿河湾を中心とした地域、東南海地震の震源域は遠州灘から潮岬沖にかけて、南海地震の震源域は潮岬の沖から四国の足摺岬沖にかけてです。
これらの震源域で発生する地震は、連動して発生する性質があり、1707年には3つの震源域で連動して地震が発生し、1854年には東海地震と東南海地震の震源域で連動して地震が発生した翌日に南海地震の震源域で地震が発生しました。1944年には東南海地震の震源域で地震が発生した2年後に南海地震の震源域で地震が発生しました。しかしこの時には東海地震の震源域での地震は発生しませんでした。このことが1970年代後半に指摘され、東海地震の震源域では地震がいつ発生してもおかしくない、とされたのです。
しかし、その後30年間東海地震の震源域では地震が発生せず今に至っています。
最近では、東海地震の震源域だけで発生し、東南海地震の震源域と連動しない地震は起きにくいのではないかという考えも出てきました。それは、地殻変動の解析により、東海地震の震源域での歪みの蓄積する速さが、東南海地震の震源域よりも小さいことが分かってきたからです。単純に考えれば、数回に1回は、東海地震の震源域では、他の震源域と連動して地震を起こさず、単独でも地震を起こさない可能性が出てきたのです。
しかし、依然として東海地震の震源域のみで単独で地震が起きる可能性を否定できず、またたとえ単独で起きなくても、近い将来発生する東南海地震の震源域で発生する地震と連動することはまず間違いないと考えられています。
