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古村孝志
東京大学地震研究所
〒113-0032 文京区弥生1-1-1

南海・東南海・東海地震の連動発生による強震動と津波

東海・東南海・南海地震の3つが連動して同時に発生した場合の強震動と津波を高精度に予測して、これによる被害と社会的影響を調査し、避難や復興・復旧施策に活用するための研究を、東北大学工学研究科,京都大学防災研究所,名古屋大学環境学研究科,海洋研究会開発機構と共同で、2008〜2012年の5カ年計画で進めています。

本研究では、連動型巨大地震による強震動の高精度予測のために,広帯域(短周期〜長周期)強震動、地殻変動、そして津波を同時に評価するための、地震ー津波計算コードを開発し、そして地球シミュレータ等のスーパーコンピュータを用いて、過去に発生した南海トラフ地震(宝永地震,安政東海・南海地震,昭和南海・東南海地震)の強震動と津波波高の再現を進めています。

3つの地震の同時発生のほかに、これらが十数分〜数十分の時間差で発生した場合には,津波の重ね合わせにより、津波波高の増大が広範囲に現れる恐れがあり、注意が必要ですます。1707年宝永地震は、3つの地震が同時に発生したと考えられていますが、古文書の調査によると、強い揺れを感じた時間が九州〜東北で1時間程度異なってた可能性が指摘されており、数十分の時間をあけて3つが順に破壊した可能性もあります。

津波シミュレーションの結果によると、たとえば,東南海地震の発生から21分後に東海地震が,また15分後と28分後に南海地震の東側と西側が破壊した場合には,日向灘や豊後水道で津波高が1.4倍に増大するなど,広い範囲に津波の重ねあわせの影響が現れることがわかります。地震の時間差発生は、地震直後の救援活動にも大きく影響します。過去の地震の発生時間を多様な資料をもとに詳しく調べるとともに、その強震動および津波への影響を考える必要があります。

[1] 古村孝志・今井健太郎・齊藤竜彦, 南海トラフ連動型巨大地震による地震動と津波の予測, 月刊地球, 総特集連動型巨大地震III, pp.300-308,2009.

[2] Furumura, T. and T. Saito, An integrated simulation of ground motion and tsunami for the 1944 Tonankai earthquake using high-performance super computers, Journal of Disaster Research, Vol4, No2, pp.118−126, 2009.

[3] 東海・東南海・南海地震の連動性評価研究プロジェクトA 連動性を考慮した強震動・津波予測及び地震・津波被害予測研究 [文部科学省研究開発局・国立大学法人 東京大学大学院情報学環(研究代表者:古村孝志)] 平成20年度 成果報告書

Last update: 13 Sep. 2009

Gallery

南海トラフで過去に発生した宝永、安政、昭和の地震とその震源域の広がり。

1944年東南海地震の地震波伝播シミュレーション。地震発生から15,40,90,120秒後の揺れの広がる様子。

1944年東南海地震の津波伝播シミュレーション。地震発生から15,20,30,40分後の津波の広がる様子。

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