合成された多結晶体にメルトを浸透させ、その移動度を定量評価することを行っている。例えば、マントル内で玄武岩質メルトが移動する際には、多結晶体のクリープと鉱物(例えばオリビン)の溶解-沈殿というプロセスが重要とされ、その理論的モデリングが武井さんらによって行われている(Takei
and Hier-Majunder 2009)。本研究で、その実験的検証を行っている。具体的には、お椀型の多結晶体を合成し、その中にメルトをたらして浸透させ、そのメルトの浸透を定量評価をFE-SEMによる観察で行った。底が破損したお椀に入れたミソ汁が、少しづつ漏れてくのを再現してる要領。当初、この路線で研究がうまく行くと思いきや、なかなか再現性がないことが分かってきた。何とか修士号を取りたいという学生の熱意にも答えるため、研究テーマを変更し、本研究は中断になってしまった。