物質材料研究機構(坂口氏)および地殻化学実験施設(角野氏)の協力のもと、希土類、貴金属、希ガス元素の粒界での拡散現象の理解を進めている。これらの元素は、粒界に濃集(粒界偏析)することが予想され(Hiraga
and Kohlstedt 2007参照)、その濃集の程度と移動度(拡散係数)を知ることで、地球内部、特に、外核から地球表層までの化学ダイナミックスを理解することが可能になると期待される。具体的な手法は、合成された多結晶体表面に化学種を蒸着させたり、ガス内で熱処理することで表面から試料内部への拡散をおこさせる。それを二次イオン質量分析法やガスクロ法によって分析を行い、拡散プロファイルを取得、拡散係数を求めるということが行われる(Fig8参照)。イオン半径や電荷の効果がどのように粒界拡散に影響を与えるかが分かりつつある。化学分析に興味がある人、その手法取得に興味がある人、実験と分析の組み合わせ研究に興味のある人等々募集中。