糸魚川-静岡構造線断層帯における重点的な調査観測

プロジェクトの概要

  東京大学地震研究所は、文部科学省からの受託研究事業として、「糸魚川−静岡構造線断層帯における重点的調査観測」(研究代表者 国立大学法人東京大学地震研究所 岩崎貴哉)を平成17年度から5ヶ年にわたって実施します。
 この調査観測は、地震調査研究推進本部において策定した重点的な調査観測の方針に従い、東京大学地震研究所、東京大学理学系研究科、東京工業大学、名古屋大学、独立行政法人防災科学技術研究所、同産業技術総合研究所等の全国の研究機関が共同で実施するものです。
 平成17年8月に地震調査研究推進本部は、「今後の重点的調査観測計画について」を策定し、長期評価等の結果、強い揺れに見舞われる可能性が相対的に高い地域において、特定の地震を対象とした重点的な調査観測体制のあり方を示し、以下の3つの目標を提示しました。


T 長期的な地震発生時期及び地震規模の予測精度の向上

U 地殻活動の現状把握の高度化

V 強震動の予測精度の向上


  本調査観測は、この計画に従い、糸魚川−静岡構造線断層帯を対象として実施するものです。具体的には、糸魚川−静岡構造線断層帯の北部から南部に至る断層帯の深部形状の全体像の解明、断層帯周辺の物性の不均質構造及び地殻活動の実態の解明、過去の地震活動の特徴の解明と地震時の変位量やアスペリティーの分布予測精度の向上、地震時の断層運動の特性及び人口の密集した盆地部の地下構造調査に基づく高精度な強震動予測モデルの構築を目標とします。これらの目標を達成するために、以下の6項目の調査を実施します。


(1) 断層帯の地下構造解明のための反射法地震探査および重力探査

(2) 断層周辺の不均質構造を解明するための電磁気探査

(3) 断層帯周辺における自然地震観測

(4) 地震時断層挙動(活動区間・変位量分布)の予測精度向上に向けた変動地形調査

(5) より詳しい地震活動履歴解明のための地質学および史料地震学的調査

(6) 強震動評価高精度化のための強震観測・地下構造調査


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