東京大学地震研究所 東京大学

地震波の分類


実体波

地震波は大きく分けると、地球内部を伝わる実体波、地表面に沿ってのみ伝わる表面波に分類されます。 実体波は体積変化を伴うP波と、進行方向に対して直交下方向に運動するS波に分類されます。図1,2では水平方向に 伝わる実体はのみを示していますが、実際には色々な方向(鉛直方向を含む)に伝わります。

図1:P波の伝播を示した動画。 L. Braile (2005)

図2:S波の伝播を示した動画。 L. Braile (2005)

表面波

表面波はRayleigh波とLove波に分類されます。地表から1/4波長程度の深さ(周期100秒でおおよそ100km程度の領域)で大きな振幅を持ち、それより深くなると急激に振幅が小さくなります。

Rayleigh波は進行方向に平行な平面内で楕円運動をします。振動の大きさは深さが深くなるに連れて小さくなります。回転する方向は、波の進む方向と同じ方向に進んでいる車輪と逆方向です。地表で観測すると、上下方向、水平方向ともに振動している事を確認できます。

図3:Rayleigh波の伝播を示した動画。 L. Braile (2005)

Love波はS波と同様に、進行方向と直交する方向に振動します。ただし進行方向は地表に沿った方向に限られます。そのために、地表での運動は水平方向に限られます。

図4:Love波の伝播を示した動画。 L. Braile (2005)