8月4日、5日の雄山山頂陥没口の状況

陥没口南西側から北東側をのぞむ。対岸はレーザー測距儀で測量すると約1.4kmであることがわかった。縁はほぼ直立しており、場所によりオーバーハングしている。崩落も頻繁におこっているため接近は極めて危険!

 

陥没口底の様子。右側(南側)から黒っぽい堆積物がくずれてきている。底部には断層を伴う段差があり、南東側に比べて北東側が低い。低部は深さ約450mであることがレーザー測距儀と角度測定の結果分かった。底に見えるいくつもの低い高まり(ハンモック状)は崩落堆積物の特徴。崩落が進むため陥没口の深さは変わらなくなったか、やや浅くなったが、実質的な「沈降」はまだ小さい速度で継続しているようである。

 

南東側から見た陥没口の南縁。この場所は新しい堆積物が多く、陥没口沿いに亀裂が多数入っており極めて不安定である。縁からのびる多数の小さな溝は7月下旬の降雨でできたガリー。

 

南東側から見た陥没口の東縁。一見キラウエアのカルデラを思い起こさせる。縁は7月下旬から8月上旬にかけて激しく後退した。遠方からの測量によると、7月噴火の堆積物の厚みは、この縁で約1.6mである。

(文責:中田節也)


戻る