プロジェクトの概要

東南海・南海地震に関する調査研究

東南海・南海地震に関する調査研究

 

「新世紀重点研究創生プラン〜RR2002〜」の防災分野におけるプログラムの一つとして、文部科学省が平成15年度から開始する、東南海・南海地震に関する調査研究「予測精度向上のための観測研究」を、東京大学地震研究所、名古屋大学及び東北大学並びに海洋科学技術センターの4機関が体制を構築し研究を実施する。

(1) 研究内容

 

「東南海・南海地震を対象とした調査観測の強化に関する計画(第一次報告)」(平成156月、地震調査研究推進本部政策委員会調査観測計画部会)に基づき、地震(津波)発生可能性の長期評価、強震動(揺れ)や津波の予測を高精度で行うことを目的として、プレートの形状・動きや強震動・津波発生領域を詳細に推定するため、気象庁等関係機関と連携して以下の観測研究を行う。

 

(a) 東南海・南海地震の想定震源域におけるプレート形状等を把握するための地殻構造調査研究

想定震源域の境界領域、想定されるアスペリティ及びその周辺域を対象として、既存の調査測線を考慮し、海陸を統合した広角反射・屈折法調査を実施し、プレートの巨視的な形状などの大構造や想定震源域と陸域間の地震波速度構造を明らかにする。

また、想定震源域の面的な情報が得られるよう稠密な反射法調査を実施し、分岐断層の分布とその形状、海山などの浅部のプレート境界の形状や地震波の反射強度分布を把握する。

 

(b) 東南海・南海地震の想定震源域における微小地震分布を把握するための海底地震観測研究

想定震源域の境界領域、想定されるアスペリティ及びその周辺域、地震活動度が相対的に高い領域などの注目すべき領域について、自己浮上式海底地震計により、ある程度長期の観測(20q間隔で数年程度)を実施し、より正確な地震活動の把握、詳細なプレート境界の形状の把握や地殻構造と地震活動との対比などを行う。

 

(c) GPS/音響測距結合方式による海底地殻変動観測の精度向上のための技術開発

観測システムの安定性の向上と23pの繰り返し観測精度を目指して、音速構造の補正手法の高度化及び音響測距技術の高度化に重点を置いた技術開発を行う。平成15年度からの3年間は、音速構造トモグラフィーにより音速の微細構造と海底の位置を同時に決定する手法、測位装置をブイに搭載して観測する手法など複数の手法を用いて試験観測を行い、平成18年度からの2年間は、それまでの成果を踏まえ、適切な観測システムの構築を行う。


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