"重力場の時空間変動からよみとる,火山活動の推移(2)"

(重力測定グループ:大久保修平、古屋正人、孫文科,田中愛幸、渡辺秀文、及川純、前川徳光

文責:大久保,古屋)


下の図は,2000年9月4日現在の島内各地点での重力の大きさを,1998年6月および2000年7月6日を基準としたときの変動量として表しています.山頂付近では,間違いなく巨大なマイナスの変化が観測されるハズですが,山頂部での観測は危険なため確認できませんでした.一方,島の中央部から南西に向かう軸を対象軸とした変動が見えてきました.ちょうどバタフライ(蝶々)のように見えます.ちゃんとした計算はまだなのですが,このの下に隠れていたシート状のマグマが閉じている(ダイクが閉じる)ためかも,しれません.やはりマグマは吸い出されているような感じです.GPSなどの地殻変動も北部が小さく南部が大きいのはこれで説明できそうです.


"真空掃除機からバタフライへ(解釈編)"

 真空掃除機モデルを先に提唱しましたが,その延長として,三宅島の南部に貫入していたマグマまで今や吸い出されていると考えれば,ダイクが閉じることが説明できるように思います.(時間が完全に不足しているので,厳密な計算はこれからです).