アスペリティと地震発生サイクルの力学	[HOME]

プレート境界面のすべり過程は多様であり，地震を繰り返し発生する場所（アスペリティ）もあれば，定常的に非地震性すべりが生じている場所やエピソディックな非地震性すべり（スロー地震）が発生する場所もあります．プレート境界面には摩擦力がはたらき，「静摩擦」を超える力がかかると，すべりが発生します．すべり方の違いは，その場所の摩擦特性によると考えられ，摩擦特性は岩石の摩擦構成則のパラメターで表現することができます．観測されているプレート境界面の多様なすべりや地震発生サイクルを，摩擦構成則を用いた数値シミュレーションによるモデル化を通して理解し，さらに，数値モデルに基づき，将来の地震発生を予測する手法を開発する研究が進んでいます．

講義では，（１）プレート境界での多様なすべり過程，アスペリティでの地震サイクルについて地震や地殻変動の観測からわかったこと，（２）岩石実験から得られた摩擦構成則の物理的な理解，（３）摩擦構成則を利用した地震サイクルの数値シミュレーション，について解説します．