地球上で発生する巨大地震と津波 10月26日　佐竹健治	[HOME]

巨大地震は，プレート境界で蓄積されたひずみが突然解放されることによって発生するため，同じ場所では数十年から数百年という間隔で発生します．また，海の下で地震が発生すると，海底が変動することにより津波が発生し，太平洋を超えて被害をもたらすこともあります．

将来の巨大地震の発生を予測するためには，過去に発生した地震の歴史を知ることが必要です．最近（20世紀以降）の地震については，器械的に記録された地震や津波のデータを解析し，コンピューターシミュレーションなどと比較することによって，規模や位置などを調べることができます．それより古い地震については，古文書に記録された地震や津波の被害から地震の発生時，規模，場所などを推定します．江戸時代に日本で記録された津波の被害から，西暦1700年にアメリカで発生した巨大地震の詳細が分かったこともあります．このほか，木やサンゴなどの年輪や，津波によって運ばれて地層中に堆積した砂などの調査から，過去に発生した地震について調べることができます．

10月26日のゼミでは，南米チリ，北米カスケード，日本周辺，インドネシアにおいて過去に発生した巨大地震を，水位計の記録，古文書記録，地質学的なデータなどから調べた研究について紹介します．