1月10日(水) ヘリコプター:警視庁(おおぞら2号機 JA9678) 搭乗者:金子,伊藤(地調) 天候の回復を待つため出発を遅らせる.午前9時49分東京ヘリポートを離陸.パイ ロット・クルー以外に8名の同乗者あり.10時43分三宅島上空到着. 噴煙の高さは,海抜1000m程度と低く,東へ流された噴煙も連続せず,ちぎれちぎれ になっている.昨年12月と比べても,噴煙の噴出率は低下している模様(だたし,短 時間の変動があるため,もう少し様子を見る必要がある).ガスは三池方向に漂って いるが,これまでと比べ,薄く,細い,印象を受ける. 暖房と乗員多数のためか,ヘリのガラスが曇ってしまうため,ドアオープンで観測を 行う. カルデラ内はガスがやや漂ようが,観測は可能.大きな変化は見られない.雨上がり のためか,噴煙の出ている領域がやや拡がっているように見える.火口手前の泥水の 領域が拡大している.北東側(スオウ穴の東)と西側(マウンドの西)のカルデラ壁 に新鮮な面が出ており,これらの場所で新しい崩壊があったことが推定される(小規 模).12月27日の観測で,スオウ穴のすぐ西に亀裂が見られたが,今回もほぼ残って いる模様.南側の亀裂は,2列認められ,亀裂で区切られたブロック間で,わずかな ズレが認められる(以前より)が,12月末と比べて割れ目の進行,崩壊等はほとんど ない. 最近観察される火映の原因として,特別なもの−溶岩流など−は一切見られなかっ た.やはり噴煙の温度が高くなっているためか. 11時10分観測終了.神津島により,8名降り,新たに8名乗る.12時28分東京ヘリポー ト到着. (金子)