1月31日(水)FLY-24 ヘリコプター:警視庁(おおぞら2号機 JA9678) 搭乗者:金子,高田(地調) 午前9時11分,東京ヘリポートを離陸.パイロット・クルー以外に6名の同乗者(都関 係?)あり.10時00分三宅島上空到着. 噴煙は,火口から真っ直ぐ昇り,海抜1500m付近まで達した後,直角に曲がり東へ流 されている(写真1).ガスも噴煙と一緒に上がるが,1300m付近でやや水平に拡が り,噴煙の下部を東に向かって流れている.このため,地表を漂うガスは全く見られ ない.噴煙の到達高度は高いものの,ガスの量自体は少ないように見える.東へ流さ れた噴煙も途中で消散し,以前のように海上を長く続いてはいない. カルデラ内はクリアー.噴煙の出ている場所に変化はない.噴煙として上空まで立ち 上るのは主火口周辺からのみで,西側の小火口群からの噴煙は,カルデラリム付近の 高さで,消散してしまう(写真2). カルデラ床に大きな変化はない(写真3).南側の水溜まり(以前「水泥」と呼んで いたもの)の濃いあずき色が目を引く(写真4).色そのものは,少なくとも昨年11 月末から同様で,大きな変化はない(流入する水の加減によって,多少色が変化する こともあったかもしれない).大きさ−発生以来拡大縮小を繰り返してきたが−も, 1月10日とほぼ同じで,北側の水溜まりと同程度となっている.北側の水溜まりも, 色(オリーブ色),大きさ共に,1月10日からほとんど変化はない.カルデラ床中央 付近に小さい水溜まりが数カ所見られる(以前から).東側(スオウ穴付近からの テーラスの先)にあった水溜まりは,干上がったようだ. カルデラ壁の崩壊も,あまり発生していない.新鮮な面はカルデラ壁南西部にわずか に見られる程度.カルデラ縁南側の亀裂もあまり変化がない−亀裂東端の一部がわず かに崩壊した(写真5).スオウ穴西の亀裂もあまり変化していない. 最後に一週道路にそって観測を行うが,新たな泥流の発生等はない(写真6,7, 8). 10時42分観測終了.神津島に着陸−6名降り,新たに10名乗る.11時45分東京ヘリ ポート到着.警視庁の厚意で東陽町まで送って頂く. (金子) 写真1 噴煙は,火口から真っ直ぐ昇り,海抜1500m付近まで達した後,直角に曲が り東へ流される. 写真2 西側の小火口群からの噴煙は,カルデラリム付近の高さで,消散してしま う. 写真3 カルデラ床に大きな変化はない. 写真4 南側の水溜まりの濃いあずき色が目を引く. 写真5 カルデラ縁南側の亀裂もあまり変化がない−亀裂東端の一部がわずかに崩壊 した. 写真6 一週道路三七山付近 写真7 一週道路三七山付近 写真8 一週道路赤場暁付近 (金子)