5月11日(金) ヘリコプター:消防庁(はくちょう) 搭乗者:金子,潟山(気象庁) 午前10時34分,東京ヘリポートを離陸.本日は,要員輸送等のため,出発がいつもよ り1時間程度後に設定されている. 11時18分三宅島上空到着.天気は良い. 噴煙は海抜900-1000m程度と低い.弱い西風により,東へ流されている.ガスは,東 斜面を下り,三池港〜空港付近に流れ込み,遙か海上まで続いている(写真1). カルデラ縁南側の亀裂(主火口の脇)は,2月14日あるいは4月20日の写真と比べて, ほとんど変化がない(写真2).スオウ穴西肩の亀裂もまだ残っており,同様に変化 はない(写真3).ただし,この付近から薄らと土煙が上がっているのが観察された ことから,小規模な崩落は起こっているらしい.カルデラ縁南東部,雄山林道終点付 近の割れ目は,4月20日の報告では,「カルデラ内側ブロックの方がが高くなってい るように見える」と報告したが,今回の観察で,実際は内側のブロックの方が低く なっていることが判った(写真4).見る角度,光線の影響か.4月20日の写真と比 べると,この亀裂の西端の一部が崩落し失われていることが認められる. カルデラ内部は,ほとんど変化がない(写真5).4月20日同様,主火口東側にある 噴気域周辺に,イオウと思われる黄色がかった物質が付着しているのが認められる (写真6).南北2つの規模の大きい水溜まりにも変化がない.今回,主火口の麓付近 の小火口から,赤い水が流れ出しているのが認められた(写真7). 11時41分観測終了.三宅中学のヘリポートに着陸し,交代要員を収容(15名程度). 11時52分離陸. 12時08分,新島着陸.同乗している東京都の方々の作業の都合で,約3時間待機.新 島の視察に出る.15時25分,離陸. 16時05分,東京ヘリポート到着. 長い一日. (金子) -------------------------------------------------------- (写真) 1 噴煙は,海抜900m-1000m程度と低い.ガスは東斜面を下り,三池港〜空港付近に 流れ込み,遙か海上まで続いている.(北より) 2 カルデラ縁南側の亀裂(主火口の脇)は,2月14日あるいは4月20日の写真と比べ て,ほとんど変化がない. 3 スオウ穴西肩の亀裂もまだ残っており,同様変化はない.(北より) 4 カルデラ縁南東部,雄山林道終点付近の割れ目は,4月20日の報告では,「カルデ ラ内側ブロックの方がが高くなっているように見える」と報告したが,今回の観察 で,実際は内側のブロックの方が低くなっていることが判った.4月20日と比べ,西 端の一部が崩落し失われていることが認められる. 5 カルデラ内部.ほとんど変化がない.(西より) 6 主火口東側の噴気域周辺.イオウと思われる黄色がかった物質が付着している. 7 主火口の麓付近の小火口から,赤い水が流れ出している.