5月25日(金) ヘリコプター:消防庁(かもめ JA9692) 搭乗者:金子,平(気象庁) 午前9時03分,東京ヘリポートを離陸.クルー火山観測者以外に3名の同乗者(消防関 係)あり. 9時49分,一旦三宅中学に着陸.3名が降機.9時56分離陸,観測に向かう. 雲が山頂部に垂れ込めているが,ちょうど冠のように中が抜け,カルデラ内部を覗く ことができる(写真1).クリアー.ただし,リムは西側の一部を除いて,雲のため ほとんど観察することができない. 噴煙は海抜1500m程度.先回(18日)に続いて高い.マッシュルーム状の形をしてい る.途中でかぎ状に折れ,南西へ流されている.ガスは,太路池と伊ヶ谷の間,島の 約4分の1に及ぶ広い範囲を覆っている(写真2,3). カルデラリムの南に新しい崩壊部がある(写真4).雲のため詳しい位置は判らない が,以前から2列の亀裂があった場所(E)である可能性が高い(要確認).崩壊物は 主火口の東側を下り,カルデラ床まで達しているようだ(写真5). カルデラ内部は,特に大きな変化はない.雨あがりのためか,カルデラ床に点在する 小さな水溜りがやや大きくなっている(写真6). また,主火口周辺に見られたイオ ウの付着物もほとんどなくなってしまった(写真7). 10時18分観測終了. 途中給油のために神津島による.神津島からも三宅の噴煙が良く見える.かなり大き い(写真8). 11時59分,東京ヘリポート到着. (金子) -------------------------------------------------------- (写真) 1 雲が山頂部に垂れ込めているが,ちょうど冠のように中が抜け,カルデラ内部を覗 くことができた. 2,3 ガスは太路池と伊ヶ谷の間の広い範囲を覆っている. 4 カルデラリム南の新しい崩壊部(?).亀裂が2列残っているように見える. 5 写真4の崩壊物は主火口の東側を下り,カルデラ床まで達しているようだ. 6 雨あがりのためか,カルデラ床に点在する小さな水溜りがやや大きくなっている. 7 主火口周辺に見られたイオウの付着物もほとんどなくなってしまった. 8 神津島上空から見た三宅島.噴煙はかなり大きく見える.