6月4日(月)FLY-35 ヘリコプター:警視庁(おおとり8号) 搭乗者:金子,本多(気象庁) 午前9時04分,東京ヘリポートを離陸.クルー火山観測者以外に1名の同乗者(警視庁 関係)あり. 9時53分,三宅島上空着.ドアオープン. (噴煙) 高度は1200m程度(変動)で,北東に流されている(写真1).いつもより,量が少 ないように見える(水分が少ないためか).ガスは坪田港と赤場暁の間の広い範囲を 下っている. (カルデラリムの崩壊) 規模の大きい崩壊は起こっていない.スオウ穴の西肩(写真2),雄山林道終点西の 三角形のブロック(写真3),主火口すぐ南の長い2列亀裂(写真4)などは,全て 残っている.昨日朝の噴火によって,リム部に変化は起きていない模様.  5月25日(金)のフライトで,雲間から見えた崩壊部(...南に新しい崩壊部が ある.雲のため詳しい位置は判らないが,以前から2列の亀裂があった場所ある可能 性が...)の位置を確認した.2列亀裂と1535年火口の中間点付近であった(写真 5).また,ここからの崩落物は主火口内に落ち,カルデラ床には達しない.この崩 壊部は,少なくとも2001年2月14日には認められない. (カルデラ内部) 特に大きな変化は見られない(写真6). (主火口周辺) 特に大きな変化は見られない.噴煙中の水分が少ないためか,主火口内をこれまでに なく詳しく見ることができた(写真7). 主要な噴煙の出口は,2箇所存在するようである.1つはカルデラ壁に隣接する直径 数10メートルの火口.いま一つは主火口内北側の部分(下司氏 http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/nakada/0528/ZU2.jpg の最高温噴気とされている場 所に相当).この付近には大きな火口はなく,直径数メートルの孔が複数個,三葉状 に並んでいるように見える(分解能・コントラストの不足で,詳しい状況は判らない −不確か).主火口の壁基底部からも噴煙がでている.主火口内は黄色で一面イオウ 原となっている. (6月3日の降灰域) 噴煙・ガスの流下方向と重なり,降灰域の観察はできなかった.少なくとも,カルデ ラ内で観察した限りでは,降灰の痕跡は認められない−5月25日(写真8)と比較して も.主火口東の赤色崩壊物の表面には違いはない(写真9). 10時12分観測終了. 途中,神津島による(給油なし). 11時26分,東京ヘリポート到着. (金子) -------------------------------------------------------- (写真) 1 噴煙の高度は1200m程度で,北東に流されている.ガスは坪田港と赤場暁の間の広 い範囲を下っている. 2 スオウ穴の西肩の亀裂.ほとんど変化なし. 3 雄山林道終点西の三角形の断裂ブロック.ほとんど変化なし. 4 主火口すぐ南の長い2列の亀裂.ほとんど変化なし. 5 2列亀裂と1535年火口の中間点の崩壊部.少なくとも2001年2月14日には認められ ない. 6 カルデラ内部. 7 主火口内部.一面のイオウ. 8 主火口東側(5月25日). 9 主火口東側(今日).5月25日(写真8)と比較して.主火口東の赤色崩壊物の表 面には違いは認められない