8月17日(金) ヘリコプター:東京消防庁  観測搭乗者:下司(東大地震研),東宮(産総研)  フライト: 午前9時01分,東京ヘリポートを離陸.東京湾中央部を南下. 9時 44分,三宅島付近に到達,観測開始.はじめに高度を上げて,5500ft付近から全体を 観察し,その後高度を下げながら観察.10時15分ごろ観測終了,三宅島を離脱. 帰路は往路を引き返し, 11時04分東京ヘリポート帰着.  天候: 天候は晴れ.三宅島付近海上はうねりがあり,部分的に白波たつ.風 は北東風,三宅島で20kt.三宅島以南には積雲が点在していた.三宅島の島雲は 標高500m以上の山頂部を完全に覆っていて,カルデラ内外の状況は観察できなか った(Fig.1).  噴煙の状況: 山頂部から白色噴煙が島雲を通って間欠的に湧き出してくる.噴 煙高度は最大1500m(海抜)で,観測中ほぼ一定の高度を保っていた.噴煙頂部の 高さは島雲の高さとほぼ同じ.白色噴煙は島内で消滅し,噴煙から分離した青白い 火山ガスが南西方向はるか遠方まで漂っている(Fig.2).火山ガスは山頂からほ ぼ水平に漂い,火山ガスの流れと地上・海面の間には隙間が出来ている. カルデラの状況: 雲に阻まれ観察できなかった.  山腹の状況:新たな泥流の発生など,顕著な変化は見られない.地獄谷付近の 枯れ木が倒木化し始めているのが目立つ(Figs.3,4,5). (下司信夫) 写真キャプション Fig.1 東側から見た三宅島.山頂部はすっぽり島雲に覆われている. Fig.2 島南西側へ流れる火山ガス.遠景は御蔵島. Fig.3 鉢巻林道坪田付近の沢.火山ガスによる枯れ木が倒木となって沢に倒れている. Fig.4 沢筋の崩壊が進んでいる.地獄谷付近. Fig.5 地獄谷全景. Fig.6 一時帰島を待つ集落.坪田にて.