2002(平成14)年7月31日(水) 1.観測支援: 警視庁ヘリ 「おおとり1号」 JA 9602 号機(Bell 412)      立川より飛来、クル−3名、観測関係者5名、計8名搭乗。      飛行計画=午前中火口観察、新島で給油・昼食の後、午後COSPEC観測。 2.搭乗観測者 : 火口観察  : 東宮(産総研)・ 大島           ガス観測  : 尾台 ・ 松森 (気象庁)          (重力観測  : 大久保、三宅中で降乗、往復路のみ) 3.天候・飛行コース・時刻等 :   晴だがム〜と蒸し暑い。湿気十分の空気で景色もかすむ。都内〜三浦半島〜洋上ほ とんどモヤッて視程不良。三 宅も海は晴、島は西風の上昇気流で島雲がわき、標高 300m以上はすっぽり雲の中、何も見えない。   搭乗時間 09:00 〜 14:53 (10:50〜12:40 新島空港で給油・昼食・ COSPEC準備)   観測時刻 10:10 〜 10:33(目視 23分),13:04 〜 13:49(COSPEC 45分) 09:06東ヘリ離陸(南向き)〜 09:10田町 〜 09:15丸子橋 〜 09:19横浜 〜 09:25横 須賀 〜 09:30城ケ島真上か ら洋上へ。 飛行高度 4500ft、モヤの中、伊豆大島ほか島影全く見えず。海面穏やか。機内でモ ンキーベルト着用。 10:03三宅島に北西から接近 〜 10:06三宅中学着陸(大久保さん降機)10:09 〜 <火口観測飛行> 10:10 火口観測飛行開始、反時計回り。 島は上半分以上すっぽり雲に覆われているため、雲の隙間を探して海岸沿いに〜阿古 〜新鼻〜坪田〜 10:15空 港。 結局雲は標高300m以上を全面的に覆っていて、山頂接近の隙間なし。 三池に薄青白くガスの下るのが見え、これを避けて右旋回、東海上に離脱、機内臭う。 10:20 坪田から海岸沿い時計回り。 〜新鼻〜阿古〜伊豆〜神着〜 10:28赤場暁、三池に下るガスを避けて左旋回、東海上 に離脱。 高度を上げ赤場暁上空に再接近、雲より上の高度 3500ft で反時計回り北へ。山頂は 雲海の下。噴煙頂が雲より 上に突き出ていないのを確認。 10:33 伊豆上空で観察終了、北西海上へ離脱。(結局ドアオープンせず、モンキー ベルト出番なし。) 10:44 新島に東から接近。新島も雲。大峰山頂や宮塚山頂はいずれも雲の中。 10:47 新島空港着陸、 10:50 エンジンカット。    −−−−−−− 給油、昼食、休憩の後、−−−−−−− <COSPEC観測飛行> 12:15 COSPEC設置/調整開始 12:40 エンジンスタート、 12:47 離陸 13:00 阿古接近。反時計回りに南海岸をまわってガスの流れる東海上へ。COSPEC調 整の後 13:10〜33 高度約300 ft、東方5哩南北測線で3回噴煙を横断(1.5往復)。 〜13:44 3哩測線を南下、 〜13:49 空港より海岸線上を北上、赤場暁北東で観測終了。 13:55〜57 三宅中学タッチ&ゴー(大久保さん搭乗) 〜 14:30城ケ島西端 〜 14:35横須賀〜 14:40横浜 〜 14:44丸子橋 〜 14:47箱崎 〜 14:50 東ヘリ着陸(北から) 14:53 降機。 ヘリは立川へ。 4. 観察 島雲にすっぽり覆われ、肝心の火口観察・カルデラ観察・周辺斜面観察いずれも出来 なかった。 ○ 噴煙: 西よりの風(パイロット情報;230度5ノット)を受けて東にたなびい ている。白色噴煙と見られる のは東斜面上部のみ。(風下の東斜面のみ雲底が高め、 ただし山頂稜線までは見えない。)白噴量少ない。噴煙頂 は島雲(上面高度900m程 度)を破らず。よって噴煙高はきわめて低く、カルデラ縁上せいぜい200mとみられ る。 ○ ガス: 青白く見えるSO2 ガスの流れが東斜面を下り、三池火口から東海上にひ ろがっている。はっきりと 見えるのは三池浜〜サタドー岬のきわめて狭い範囲。その 両翼、三池港〜三七山あたりにもうっすらとかかってい る。ガスの流れは、気流のた めか山麓では地表よりやや上空が最も濃く見え(地表付近はやや薄く遠くが透けて見 え)、斜面より若干低角で下るその主体が海面に接したやや沖合で最も濃く見える。 ガスの排出は一定ではなさそうに思われ、午前は薄く、午後はより濃く感じられた。 (目で見た「感じ」なので全 くあてにならないが、午前は5000〜7000t/日レベル、 午後は1万〜1万5000t/日くらい???) 5. おまけ=現地情報 同乗の尾台さんによると、今日7月31日は、延期になっていたガスパイプ作戦(ガス を直接採取するためにカル デラ南縁から火口にパイプを降ろす作戦、前回は早々とパ イプが切れて失敗)再挑戦日。多数の関係者が現地入り し、東京消防庁ヘリも神津島 空港待機中という。でも、この雲の中では無理。 三宅中で降りた大久保さんが支庁で会った笹井さんから聞いた話では、(雲の中の) 「レストハウス付近は20m 先も見えない」。 今度のパイプはバタつかないように頑丈になっているらしい。それだけ重い?大丈 夫?原理は簡単なのに、実際は 結構むつかしい。祈成功。  (大島)