9月12日(火) ヘリコプター(東京消防庁)による目視観測(金子,川辺(地調)) 午前9時0分東京ヘリポートを離陸, 9時55分三宅島上空到着.山頂付近より白色の噴 煙が北に向かって流れ,10km以上に渡って続いている(海抜1000-1500m).噴煙の下 に硫酸ミストと思われるもや状の部分が認められる.山頂部は雲に覆われよく見えな い.白色の噴煙が数100m(海抜1000-1200m)程度まで上がっている.降灰はほとんど ない模様.山頂部の観察ができないため,一週道路沿いに観察を行う.伊豆−阿古− 坪田−赤場暁と周り,同じコースを戻る.崖崩れもしくは泥流の流入による変色海域 が,神着,伊ヶ谷,新澪池−大路池,三池港付近で認められる.泥流は,新澪池−大 路池(3カ所),サタドー岬,山七山,赤場暁付近で発生しているが,一週道路上の ものは既に除去されてる模様.火の山峠付近に,火山灰が厚く堆積している.観測の 間,異臭は特に感じられなかった.10時20分観測終了,帰路に就く.10時56分,東京 ヘリポート着. (金子) 9月13日(水) ヘリコプター(警視庁)による目視観測・赤外画像撮影(金子,山元(地調)) 午前9時46分東京ヘリポートを離陸,大島で荷物を下ろし,10時52分三宅島上空到 着.山頂部に雲がかかっているものの,白色の噴煙が海抜1000〜1200mまで達してい るのが認められる.11時0分三宅島空港に一時着陸,2名が降りた後再び観測.南側に 回る.噴煙は阿古の上を通り西に向かって流れ,遙か海上に達している.流れている 噴煙はSO2多量に含むためか全体に青みがかっている.降灰はない模様.火口から は,数分に一度程度の割合で,間欠的に噴煙が立ち上がる.これらは全て白色で,火 山灰はほとんど含まれていない.11時30分現在,噴煙の最高部は海抜1900m程度に達 している(観測期間中,徐々に活動度が上がった?).最高部付近でも青みがかって 見える部分もある.噴煙の出口は火口の南側と思われる(恐らく1カ所).三池上空 から,ドアを全開し赤外画像の撮影を行う.噴煙の最高温度は46℃.ただし,使用し た赤外カメラの特性上,太陽光の反射成分が含まれるため,実際の温度はこれより遙 かに低い(少なくとも10℃以上)と思われる.この際も異臭は感じられなかった.こ の後,高度を下げ,神着地区を観察.火山灰に覆われ全体に灰色となっている.火山 灰の重みのためか,倒れている木々も随所に見える.11時54分観測終了.新島を観察 した後,12時53分東京ヘリポート着. (金子)