9月15日(金) ヘリコプター(自衛隊)による目視観測(金子,大島,川辺(地調)) 午前9時3分,陸上自衛隊木更津駐屯地を離陸.今日は視程がよく,大島を通過 した付近から白い噴煙を伴う三宅島が見える.9時35分,三宅島到着.1500〜 2500mの高度で島を2周し観察する.山頂部を取り巻く厚い環状の雲のため, 火口内は望めない.噴煙は最高部海抜2500m(12日,13日より高い)で,西 〜西北西の方向へたなびいている.噴煙の放出率も数日前より多くなってい る.噴煙の色は白(雲と同程度)で,火山灰はほとんど混じっていないが,相 変わらずSO2の放出が多いためか青みがかっている(気象庁によるとSO2の放 出率は1万トンを越えている).山頂部での噴煙の上昇は比較的ゆるやかで,5 〜10分程度毎(?)に間欠的に新しいバッチが発生している.噴煙の発生して いる場所は火口南側で,これまでと変化はない.たなびいた噴煙は,下部には 青みがかった層を伴い,神津島上空にまで達している.降灰は認められない. 噴煙の上部を通過する際,イオウ臭(H2S)を感ずる.泥流の流入,崖崩れが 原因とみられる変色水域は,今回も三池,新澪池,赤場暁で見られるが,次第 に納まっている.ただし,阿古−夕景ヶ浜付近からの変色水域は,潮流に乗り 三本岳の方向に向かって拡大しつつある模様.植生の破壊は島の北半分で大き く,南半分で少ない.特に赤場暁上の地獄付近で,枯れた植物が目立つ.最後 に,高度を落として,村営レストハウス付近を観察.七島展望台付近に積もっ た火山灰にはガリが発達している.椎の木ランド付近は,噴煙(に伴うガス) −火口の縁から溢れているように見える−で青く煙っている.ここで旋回. 10時23分観測終了. 11時0分,木更津駐屯地に到着. (金子)