(その1) 12年 9月26日 観測時間 9時35分 〜 10時03分 搭乗時間 8時53分 〜 10時55分 (搭乗ヘリ機種:東京へリポート,消防庁ちどり) 3.観測者氏名 津久井雅志 (千葉大) 金子隆之 (東大地震研) 4.天候状態(概況) 曇り 5.飛行経路・高度 最高2100m 6.観測結果(概要、注目すべきこと) ・噴煙の全容(高さ、色、出ている場所) 噴煙高1200−1500m,白色で,東(空港北端から三池浜)に流れる. 噴煙量は多くはない.噴煙の下部は淡い青色,金層,三池マールの低所に沿っ て東へ流れる.上空風上は無臭. ・火口の中の噴煙・噴気の状況(出ている場所・数、高さ、色、土砂噴の状況 等)カルデラ内,よく見える.北側に水たまり確認(グリーン).西側カルデ ラ底は崩落物で水たまり埋っている.噴煙は南縁の噴石丘の3火口と火砕丘の 割れ目から出ている.固形物の噴出はない. 登山道ヘアピンカーブは充分残っている. ・ その他 海岸付近の海水変色 湯の浜港〜伊豆,伊ケ谷(顕著)〜大鼻,新鼻〜タツネ 浜.しかし昨日よりは濁りはうすい. 7.次回観測者への引継事項  気象庁硫化水素ガス検知機を引き渡した. 8.その他 (その2) 9月26日(火) ヘリコプター:東京消防庁(ちどりJA119A) 搭乗者:津久井,金子 午前8時53分,東京ヘリポートを離陸.大島付近がパッチ状に雨が降っている ため,新島側に進路をとる.9時35分三宅島上空到着.火口の北〜西〜南側上 空(2000m程度)から観察する.雲はほとんどなく,火口内がよく見える. 噴煙の高度は海抜1200〜1500m,色は白で,火山灰は降っていない.ここ 10日間と比較して,噴煙の量に変化は見られない.噴煙は,弱い西風で東側 に流され,下部に青いSO2ミストの層を伴っている.ミストの層の一部は,斜 面を漂うように流れ下り,三池港付近(空港の北端と三池浜の間)に達してい る.火口内部の状況に大きな変化はない.コーンの中央付近にある2つの穴か ら盛んに噴煙が上がっている.コーン東側の亀裂からの噴煙は少なくなってい る.逆に,西側のからの噴煙は相変わらず多い.火口壁の北西部が新たに崩壊 し,赤茶色の灰を被っていない部分が幅数100mに渡って露出している.この 崩壊物は舌状に火口底に広がっている.このため,北側水溜まりの西側部分が 埋まっている.コーン基底部付近の火口底にも水溜まりができている.これら の水溜まりの色は緑色.スオウ穴の水の水位,色(赤褐色)にも変化はない. 10時5分,時間一杯となり,観測終了. 10時54分東京ヘリポート着.(文責 金子)