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地球の中はどうなっていて,どう動いているのでしょうか? 直接手の届かない領域であるため,わからないことだらけですが,人類の英知と想像力を駆使することにより,息吹を感じることは確実にできます.私たちは主に地震波形データの解析から,地球との対話を試みています.

以下に,地球を知るために行っている我々の努力の一端を具体的に紹介いたします.



耳をそばだてる:波形インバージョン技術の開発と活用

   

地震波形データには地球内部構造の情報がたくさん含まれています.これをもれなく活用するには,理論地震波形と波形データを直接比較するのが有効です.このような推定手法を波形インバージョンと呼んでいます.波形インバージョンにより,観測点が乏しい太平洋の下の速度構造を推定してマントル対流の上昇流を検出したり(左図),内核の減衰構造を周波数毎に求めて粒径分布を示唆したり(右図)しました.微弱シグナルを丁寧に解釈すれば,地球は様々な姿を見せてくれます.


こちらから語りかける:フロンティア観測による地球科学の推進


国内外を問わず,科学問題にとって最適なフィールドに立って行う観測を,我々は「フロンティア地震観測」と呼んでいます.
 既存のプレートテクトニクスでは,スラブが沈み込みを始めた地域(例えば東北地方)に火山が生成されることを期待します.しかしこのスラブが沈み込んだはるか先にある,中国東北部にも活動的な火山(長白山)があります.この火山の近傍を良く調べれば,既存の枠組みでは見落とされていた,火山生成のしくみにせまれるはずです.我々は中国東北部で稠密観測を行い(左図),この不思議な火山の下の遷移層でスラブが欠損していること,スラブ欠損域から火山に至る低速度異常域が存在することを描き出しました.そして深部マントルからの上昇流が火山生成に寄与していることを提唱しました(右図).



新たなコミュニケーションツールを作る:散乱波解析技術の開発


地震波形にはP波やS波など異なる観測点間で似たような波形が観測されるフェーズ(coherent phase 又は直達波と呼んでいます)と,全く異なる波形が観測されるフェーズ(incoherent phase 又は散乱波)の両方が含まれています.通常の地震波形データ解析では,直達波のみに着目し,散乱波は一種のノイズとして扱ってきました.
しかし散乱波は,P波やS波などが地球の中の不均質によってかき乱されて生ずる地震波です.つまり地球の中の不均質に関する情報を多分に含んでいるのであり,ノイズだと思うのはナンセンスです.私たちは,散乱波というこれまでとは違った情報源を用い,地球の姿を描き出そうとしています.解析は現在進行中ですが,下部マントルはびっくりするぐらい不均質がありそうだとか,特定の周波数ではほとんど減衰がなさそうであるとか,驚くような結果が出はじめています.




今後の展開:新たなフロンティアデータ

 新たなフロンティア観測として,太平洋下の上昇流域を精査するプロジェクトが進行中です.自前でタイの観測網を設置する(左図)とともに,外国の諸機関と共同研究を実施することにより,上昇流域境界の微細構造にせまります(右図).
 また海半球観測研究センターでは
高性能広帯域海底地震計開発を進めながら,太平洋域に観測網を展開する研究を精力的に行っています.
 地震研究所にはアイディアある者に対する極めて恵まれた活力源があることは間違いありません.