Atsushi YASUDA

Associate Professor, Division of Global-dynamics, Earthquake Research Institute, Univ. Tokyo
voice: 81 - 3 - 3812 - 2111, ext.5750
fax: 81- 3 - 5802 - 3391
e-mail: yasuda@eri.u-tokyo.ac.jp


専門:マグマ学
研究テーマ
火山噴出物の解析による噴火過程の解明
 火山噴出物はマグマ源の組成のみならずマグマの噴出過程も記録しています.例えば、石基鉱物や気泡の大きさ・量・形状、斑晶の組成累帯などは、マグマ溜りから噴火までの様々な物理プロセスの情報を秘めています。また、斑晶のガラス包有物は、揮発性成分も含めたマグマ源の組成を知るのに有力な手がかりになるので、今、最も注目されている研究対象の一つです。 例えば,2000年三宅島の噴火の場合大量のSO2ガスの放出が起き,その原因が様々に議論されていますが、ガラス包有物の分析結果はモデルの重要な制約条件となっています。*1, *2  EPMAFTIRといった装置を用いてのミクロな火山噴出物の解析からマクロな噴火の姿に迫ることができるのが、この研究の醍醐味です。
 また,揮発性成分の中でも,マグマ中の「水」は火山の爆発的な噴火をコントロールする最も重要な要素ですが,これを簡便に正確に定量するための分析手法の開発を行いました.*3,*4 その手法を使っての様々な研究が進行中です.*5,*6,*7
 最近では,フィールドエミッション型EPMA装置を研究に導入し,微小領域の組織や組成を計測することができるようになりました.この最新鋭の装置を使って,火山の噴火準備過程や噴火の推移把握に役立つような物質科学的研究に取り組んでいます.*8
 

多面的なアプローチ:火山に関する様々な情報の有機的結合
 火山噴火現象はなかなか複雑です.物理的情報,化学的情報,過去の事例,ありとあらゆる情報を総合し,重要性を評価しなければ,現象の本質をつかまえることは困難です.まだ始まったばかりですが,様々な情報を統合・整理して,判断や思考の補助に役立てるシステムを構築することを目指しています.
火山センターの金子さんを中心とするRealVOLCプロジェクトでは,人工衛星の赤外画像による日本を含む東アジア全域の火山噴火監視システムを構築し,様々な火山噴火発生の迅速な把握と噴火推移のモニタリングに取り組んでいます*9,*10,*11 さらに,防災,減災の観点から,降下火砕物,火砕流,溶岩流などのリアルタイムシミュレーションなども組み込みつつあります.*12私は,主にWWWシステムの構築やシミュレーションのCGIインターフェイスなどを担当しています.


学生
岩橋くるみ(M2) 雲仙
諸澤直香(M2) 富士山
猪狩一晟(M1) 未定

所内の共同研究者
金子隆之(リモートセンシングによる火山活動解析)

卒業生
山崎優(ベスウィオ火山のマグマ進化)→ JRシステム
鈴木彩子(高圧下での元素拡散)→ ミネソタ大学

TEA BREAK:研究は自然をよく観察することから始まる:「あちこち」と「いろいろ」の写真集

資料:
*1:安田 敦・中田節也・藤井敏嗣,三宅島2000年噴火噴出物のmelt inclusionに記載されたマグマのS濃度とfO2環境,火山, 46, 165-173, 2001.
*2:安田 敦・中田節也・藤井敏嗣,三宅島2000年噴火:噴出物中のガラス包有物組成の特徴とSO2大量放出の要因,地震研彙報,77, 43-54, 2002.
*3: 安田 敦, 顕微FT-IR反射分光法による斑晶ガラス包有物の含水量測定, 火山, 56, 2-3, 41-49, 2011.
*4: Atsushi YASUDA, A new technique using FT-IR micro-reflectance spectroscopy for measurement of water concentrations in melt inclusions, Earth Planets Space, 66, DOI: 10.1186/1880-5981-66-34, 2014.
*5: Suzuki, Y., A. Yasuda,N. Hokanishi,T. Kaneko,S. Nakada and T. Fujii, Syneruptive deep magma transfer and shallow magma remobilization during the 2011 eruption of Shinmoe-dake, Japan-Constraints from melt inclusions and phase equilibria experiments-, Journal of Volcanology and Geothermal Research, 257, 184-204, 2013.
*6: 安田 敦・吉本充宏・藤井敏嗣,姶良火砕噴火のマグマ溜まり深度,火山, 60, 3, 381-397, 2015.
*7: Naoki Araya, Michihiko Nakamura, Atsushi Yasuda, Satoshi Okumura, Tomoki Sato, Masato Iguchi, Daisuke Miki & Nobuo Geshi, Shallow magma pre-charge during repeated plinian eruptions at sakurajima volcano, Scientific Reports, https://doi.org/10.1038/s41598-019-38494-x, 2019.
*8: 次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト,課題C-1 「火山噴出物分析による噴火事象分岐予測手法の開発」http://www.kazan-pj.jp/research/c#c-1
*9: Kaneko.T., Yasuda A., Ishimaru,T., Takagi,M., Wooster,M.J.,Kagiyama,T., Satellite hot spot monitoring for Janaese volcanoes: a prototype AVHRR based system, Advances Enviro. Monitor. Model., 1, 153-166, 2002.
*10: Kaneko, T., Takasaki, K., Maeno, F., Wooster, M.J. and Yasuda, A., Himawari-8 infrared observations of the June-August 2015 Mt Raung eruption, Indonesia, Earth Planets Space, 70, 1-9, 2018.
*11: Kaneko, T., Yasuda, A., Yoshizaki, Y., Takasaki, K. and Honda, Y., Pseudo thermal anomalies in the shortwave infrared bands of the Himawari-8 AHI and their correction for volcano thermal observation, Earth Planets Space, 70, 175, 1-9, 2018.
*12:安田 敦・金子隆之・新堀賢志・藤井敏嗣, ユーザーインターフェイスを改良した溶岩流シミュレーションシステムとその防災上の意義, 火山, 58, 2, 379-385, 2013.

2019-4-1